人間をコンピュータに例えたら脳育のヒントが見えてきた!
2018/3/20 提供:D-SCHOOL
こんにちは!ITエンジニアをしながら小学男児を育てているMikiです!
IT業界で色々な人とチームを組んで仕事をしていると、時々ハイスペック(高性能)な脳の持ち主に出会うことがあります。そのたびに「あー私もこんな脳力が欲しい!そして我が子にも是非この脳力を身につけてほしい!!」と悶々としてしまうんですが、今回はこの「ハイスペック脳」を育てる方法について、お話していきたいと思います。
そのハイスペック脳…どうなっているの!?
他の人が作った数万行ものプログラムを一日で把握できる同僚、顧客の電話番号を100件以上暗記している上司…一体どうやったらそんなハイスペックな脳をGETできるんですか!?
私、以前はそういう人たちを見ては「学生時代にたくさん勉強して賢くなった人なんだろうなぁ」と思っていたんですが、あるきっかけでちょっと考え方が変わったんです。
そのきっかけとはズバリ「出産」!
子供が1歳になったタイミングで育児休暇を終えて職場復帰したんですが、なぜか出産前や独身時代よりも仕事のスピードや効率が上がったんです。以前は昼食後に頭がボーっとして仕事に身が入らない…なんてこともあったんですが、復帰後はそんなことが無くなって、頭をずっとフル稼働しても集中力が続くように!
自分なりに原因を探ったところ、この現象はどうやら「規則正しい生活」によるものだという結論にたどり着きました。一人では寝付けない子供と一緒に21時頃に就寝。決まった時間に摂るバランスのとれた食事。このことが脳に良い影響を与えているのではないか!?と。
そのことを立証するかのように、子供が一人で寝付けるようになって私が夜更かしをするようになると、とたんに仕事の効率がダウンしました(笑)。
脳力の向上のためには「学習」や「経験」など、「脳にインプットしていく情報」が大切だと思っていた私にとって、この経験はかなり衝撃的でした。
ハイスペック脳のヒントはコンピュータにあった!
脳にインプットされた「情報」だけではなく、物理的な「脳そのもの」も脳力を大きく左右する…あれ?これってすごく何かに似ている…そう、コンピュータにそっくりなんです!
コンピュータに複雑な処理をさせる時、どんなに効率的なプログラムを用意してもコンピュータ自体のスペックが低ければ処理速度は上がりません。現在のパソコンでサクサク動くアプリケーションでも、20~30年前の低スペックパソコンに入れたらまともに動かないものがほとんどでしょう。
IT用語では、このコンピュータ自体の物理的な各部品を「ハードウェア」、そこにインプットするアプリケーションなどを「ソフトウェア」と呼び分けることが多く、例えば…
上司「君ぃ!このアプリの処理、時間がかかりすぎだろう!ソフト側で性能改善できないのか!?」
部下「ソフト側の努力ではこれ以上は無理ですよ~…ハード側のスペックを何とかしないと…」
といった会話がよく飛び交います。
つまり脳もこれと一緒で、「学習」「経験」「躾」などを「ソフト」、脳そのものを「ハード」に例えると、脳力の向上にハード側―すなわち脳そのものが重要であることが見えてくるんです!
脳科学で解明されつつある脳の「ハード側」の重要性
私は脳をソフト・ハードで分けて考えるようになってから、子供の脳のハード側を伸ばすにはどうしたら良いかを知るために、脳関連の書籍を読みあさりました。そして、脳科学の研究で有名な川島隆太教授の著書「元気な脳が君たちの未来をひらく」の中に私が知りたかった「脳育」の答えがあったので、ここで2点ご紹介します。
- バランスの良い食事
「脳を働かせるには糖分が必要」という事は以前から言われてきましたが、脳で神経線維などを新たに生成するためにはタンパク質やビタミン等などの栄養が必要、つまりバランスのとれた食事が重要! - 十分な睡眠
「日中に得た情報を睡眠中に脳に記憶している=睡眠は重要である」ということは皆さんも聞いたことがあると思いますが、この本ではさらに「睡眠中に脳(特に記憶を司る海馬)が大きく成長する」という点から睡眠の重要性を説いています。
上記以外にも、各方面で脳にとって睡眠や栄養が重要であることが解明しつつあるようですので、興味のある方は是非インターネット等で情報収集してみてください!
ところで、「十分な睡眠」って何時間?という事については、「ロングスリーパー・ショートスリーパー」なんて言葉があるように、かなり個人差があるようです。一つの目安としては、「朝、目覚まし時計が鳴らなくてもスッキリ起きられる状態」というのが、睡眠が足りている状態だそう。朝、子供を何度も起こしても全然起きてこない…という場合は、寝る時間を早めてみるのがいいかもしれませんね。
おねしょの原因はソフト?ハード?
ここで、私が子育て中に脳のハード側の重要性を再認識したエピソードを一つご紹介します。
私の子供は小学校に上がりたての頃、ほぼ毎日おねしょをしていました。が、私は「そのうちしなくなるでしょ~」と、気にせず毎晩おむつをさせていました。何を隠そう、私自身、小学2年まで毎日おねしょをして、自然としなくなった経験があったので。
ところが子供が小1の冬、夫の両親が子供を一泊旅行に連れて行ってくれることになった際、お姑さんに子供のおむつのことを伝えると、お姑さんの顔色が変わりました。「なぜ夜中にトイレに行くように躾けていないの!?」「数時間おきに起こして習慣にしないと、いつまでたっても治らないわよ!」「親の怠慢よ!!」と。
私が「自然にしなくなりますよ~」と言っても全く聞き入れてもらえないため、お姑さんと一緒に子供を小児科に連れて行って専門家の判断を仰ぐことに。
小児科医の先生の見解はこうでした。
- おねしょをしなくなるには次の2点が重要。
①膀胱の大きさが物理的に大きく成長する
②夜中に尿の生成を抑制するホルモンを脳が出せるようになる - ②については、脳の前頭葉の成長に伴い自然と身につくものであり、成長のタイミングには個人差がある。躾などでコントロールできるものではない。
- 夜中に何度も起こしてトイレに連れて行くことは、膀胱と脳の成長の妨げになるので良くない。
つまり、おねしょは体と脳のハード側の成長に左右されるものだったんですね!
ちなみに、お姑さんは納得がいかなかったらしく、旅行の晩は子供におむつをさせずに2時間おきにトイレに連れて行ったらしいですが(笑)、その後子供は特にトレーニングをすることなく小2の前半に自然とおねしょをしなくなりました。
あとがき
受験シーズンにスーパーのインスタント麺売り場に「受験生の夜食に!」などと書かれているのを目にすると、もっと成長期の子供の脳そのものを育てる「睡眠と栄養」の重要性が広く知れ渡るといいのになーと思ってしまいます。
今後、さらに科学的に脳の仕組みが解明されて、教育や育児の改善に役立つ情報につながっていくことを期待しましょう!