和戸先生、こんにちは。
先日、仕事でワードをバリバリ使いこなしている友人と飲んだのですが、そのとき彼が「会社では、ワードで部下の文書を添削しているよ」と話していました。そのときは「ワードで添削?」と疑問に思ったのですが、あまり聞くと悪いだろうと思い、そのままにしていました。ワードにはそんな機能があるのですか?あるのであれば、自分も文章を推敲するのに使いたいと思ったのですが……。よろしくお願いします。
お友達が活用されていたのは「変更履歴の記録」だと思います。
これは、簡単にいうと、文書に"赤入れ"する機能です。人の文章を紙に印刷して添削するとき、赤ペンで修正するでしょう。それと同じことを画面上で行えるのです。お友達は、「変更履歴の記録」を使って部下の皆さんが作った文書を修正されているのでしょう。もちろん、自分で書いた文章を推敲するのにも使えますよ。
ぜひ、この機会に使い方を覚えてくださいね。
Before after 注︰サンプル文章は、Word 2010で作成しております。その他のバージョンでは一部見え方が異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
サンプルが必要な方は、下記のワードのファイルをダウンロードしてください。
ダウンロードするには、ファイル名を右クリックして、メニューから「対象をファイルに保存」を選択してください。
本講座では、ファイルの保存先を《ドキュメント》としています。
ダウンロード方法がわからない場合は、下記ページをご参照ください。
ワードには「変更履歴の記録」という機能があります。変更履歴の記録をオン(有効)にすると、次の3つの編集結果が記録されるようになります。
変更履歴の記録を活用することで、他の人が作った文書を添削(校正)したり、自分で作った文書を推敲したりできます。
なお、画面はWord 2013ですが、Word 2003 ⁄ 2007 ⁄ 2010も、基本的な機能は共通です。ただし、コマンド名や表示が異なる部分もありますので、適宜、補足します。
まずは、変更履歴の記録をオンにする方法を説明します。オンにすると、以降は挿入した文字、削除した文字、変更した書式が記録されるようになります。
Word 2007 ⁄ 2010の場合は、[変更履歴の記録]ボタンをクリックすると、全体がオレンジ色になります。
Word 2007 ⁄ 2010では、ボタン全体がオレンジ色になります。
変更履歴の記録がオンになったら、早速文書を修正していきましょう。といっても、特別な操作は必要ありません。通常と同様に文章を入力したり、削除したりするだけで大丈夫です。
変更履歴の記録された文書を読み込むと、挿入した文字や削除した文字が赤以外の色で表示されることがあります。これは、もともと変更履歴の記録が、複数ユーザーで使える機能であるため、ワードがユーザーごとに色を自動的に変えるからです。色が異なるだけで、機能に違いはありません。
フォントサイズや文字位置などの書式も同様に設定します。設定した内容は、右側の吹き出しに表示されます。
ここでは、「富士通防災研究所見学記」全体のフォントサイズを大きくしてみましょう。まず、文字全体を選択し、[ホーム]タブの[フォントサイズ]の[▼]をクリックしてサイズの一覧を表示します(Word 2003の場合は[書式設定]ツールバーの[フォントサイズ]ボタンで設定します)。
ワードでは、変更履歴を反映するか元に戻すかを選択することができます。ここではまず、1つずつ確認しながら反映するか元に戻すかを選択する方法を説明します。
挿入・削除した文字、または変更した書式の吹き出しを右クリックしてメニューを開いたら、[◯◯を反映]を選択します。
右クリックしたのが挿入した文字なら[挿入を反映]、削除した文字なら[削除を反映]、書式なら[書式変更を反映]になります。ここでは、[挿入を反映]を選択します。
変更履歴は、一括で反映することもできます。すべての変更履歴を一度に反映したいときは、この方法を使ってください。
変更履歴は、すべてを一括で元に戻すこともできます。すべての変更履歴を破棄して、文書を元の状態に戻したいときは、この方法を使ってください。
Word 2003の場合は、変更履歴を反映したり、元に戻したりするとき、[チェック ⁄ コメント]ツールバーを使います。変更履歴を1つずつ確認しながら反映するには、変更履歴にカーソルを置き、[チェック ⁄ コメント]ツールバーの[変更の承諾]ボタンをクリックします。元に戻すには、[変更 ⁄ 削除コメントを元に戻す]ボタンをクリックします。
また、一括で反映するには、[変更の承諾]ボタンの[▼]をクリックし、[ドキュメント内のすべての変更を反映]を選択します。一括で元に戻すには、[変更 ⁄ 削除コメントを元に戻す]ボタンの[▼]をクリックし、[ドキュメント内のすべての変更を元に戻す]を選択します。
Word 2003で表のスタイルを設定するには、次のように操作します。
[チェック ⁄ コメント]ツールバーの[変更の承諾]ボタンで反映し、[変更 ⁄ 削除コメントを元に戻す]ボタンで元に戻します。
一括反映するには、[変更の承諾]ボタンの[▼]をクリックし、[ドキュメント内のすべての変更を反映]を選択します。
一括で元に戻すには、[変更 ⁄ 削除コメントを元に戻す]ボタンの[▼]をクリックし、[ドキュメント内のすべての変更を元に戻す]を選択します。
「校閲履歴の記録」の使い方のポイントは次のとおりです。
「校閲履歴の記録」は、グループで文書を作るときにも、よく利用される機能です。多くの人の知恵を寄せ合ったり、文書の質を高めたりするのに欠かせない機能ですので、ぜひうまく活用してみてください。
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