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バックナンバー:
[事件簿68] 事件は「思わぬ」ところで起きる…ウイルスの暗躍
[事件簿67] 子どもたちの隠微な楽しみ ---「プロフ」の危うさ
[事件簿66] 仲良しメールの無防備
[事件簿65]“隠れた報復”の代償は大きかった
[事件簿64] オレのメモリは、どこ行った? …USBメモリのリスク
[事件簿63] もし近所に悪意の輩が潜んでいたら? 無線LANの覗き穴
[事件簿62] 重要な見積もりメール。だが送った先は…
[事件簿61]「オレは大丈夫さ」が生んだウイルス被害
[事件簿60] 燎原の火のごとく…ネットの噂は足が早い
[事件簿59][ゲームの極意]命の次に大事なものは…パスワード!?
[事件簿58] わかっちゃいても引っかかる…フィッシング詐欺へのはまり方
[事件簿57] ウイルスを「踏む」のに、特別なシチュエーションは要らない・・・
[事件簿56] コンテンツ閲覧を狙う「罠」
[事件簿55] 子どもたちは、ネットで何をしているのか
[事件簿54] ウイルスを「ダウンロードする」、3つのきっかけ
[事件簿53] 「いつもの」ネットライフに忍び寄る騙しの手口
[事件簿52] (永遠に)続くWinny事件
[事件簿51] 真実はどこにある? 不正引き出しの謎
[事件簿50] スパムメールはなぜ増える
[事件簿49] 「検索してキャンペーンサイトへ!」CMに乗じて迫る闇
[事件簿48] 一見「かわいー」アイコンの裏側に潜む悪意
[事件簿47] 「ドキリとした」、その瞬間につけ込む騙しの手口
[事件簿46] 落札者がキャンセル。次点のあなたにぜひ…の甘いワナ
[事件簿45] 情報は、知らないうちに流れ出す
[事件簿44] 思わずクリックしてしまう手口とは…? ウイルスメールの実際
[事件簿43] 「ツークリック」の魔手…不用意な「はい」から忍び寄る影
[事件簿42] 「ワンクリック」の向こうで待っていた闇
[事件簿41] コマッタ部長、基本を忘れる …パソコン盗難にご用心
[事件簿40] ブログに大量の英語コメントが…。増え続けるコメントスパム
[事件簿39] 「消費者モニターで300円」に潜む罠
[事件簿38] Winnyをめぐる掛け合い
[事件簿37] 2月3日、世界規模の被害が起こる!?
[事件簿36] スパムメールにはうんざりだ。でもどうしたらいいんだろう?
[事件簿35] パソコンが乗っ取られた!? 知らぬ間に不正アクセス、の恐怖
[事件簿34] 「ついクリック」が悲劇を招く…巧妙になるウイルスの仕掛け
[事件簿33] パソコンの情報管理…基本はやっぱり、パスワード
[事件簿32] 「スパイウェア」の二つの情景
[事件簿31] まことしやかな請求チェーンメール
[事件簿30] 自分が情報流出の起点になる可能性について
[事件簿29] 「自動登録」で高額な請求・・・入会金を払う必要はあるか?
[事件簿28] 入れてさえおけば絶対安心、というわけでもない・・・ウイルス対策ソフト
[事件簿27] 「メジャーブランド」からのメールにご用心・・・フィッシング詐欺
[事件簿26] 「生きているアドレス」を引き出すための3通のメール
[事件簿25] 消えた売主…ネットオークションに潜む影
[事件簿24] 警察、病院、個人情報…大がかりな「だまし」の構図
[事件簿23] 季節にまぎれて、そのメールはやって来た・・・ワームにご注意
[事件簿22] パソコンを、他人が覗き込んでいる・・・スパイウェアの脅威
[事件簿21] 「うまい話」に真実はない・・・「マネーゲーム」の闇
[事件簿20] 「いかにもそれらしい」メールに潜む罠・・・フィッシング詐欺
[事件簿19] 一瞬の隙が一生の後悔になる・・・パソコン盗難
[事件簿18] 「長い休暇」の後に広がった暗雲
[事件簿17] 訪問者はさりげなく・・・無線LANの落とし穴
[事件簿16] 「うまい話」に潜んだ「怖い話」・・・スパム詐欺
[事件簿15] 消したはずのデータがなぜ?ハードディスクのからくり
[事件簿14] 漏れ出すプライバシー[2]・・・相次ぐネット流出
[事件簿13] 漏れ出すプライバシー・・・無線LAN
[事件簿12] 「スパム」の海に溺れて
[事件簿11] なにげないサービス精神がアダになる時
[事件簿10] あのワン・クリックが大きな災いを招いた・・・
[事件簿9] つい滑った筆が災いを呼び寄せる・・・
[事件簿8] 「あれ? 覚えのない支払いが・・・?」
[事件簿7] 「近寄らないで!」まるで病原菌あつかい
[事件簿6] 「ご使用料がまだ振り込まれておりません」
[事件簿5] 担当者は「セキュリティ対策は万全」と言っていたのに!!!
[事件簿4] 「なんでだっ!?」預金残高が無くなっている!!!
[事件簿3] 被害者から「知らぬ間に加害者」の恐怖
[事件簿2] 綺麗な花には毒がある
[事件簿1] パスワードに潜む落とし穴
「また遅刻か、P!、最近たるんでるんじゃないのか!」
Pは、勤務している○○食品社のオフィスでいきなり部長にどなられた。虫の居所でも悪かったのだろうか、部長の声はいつにも増してとげとげしい。Pは狼狽して頭は下げたが、内心は穏やかではなかった。
「なんだよ、こんな大勢の前で叱りつけることはないだろ…。それに“また遅刻”って言ったって、前はいつだっていうんだよ。そもそも夕べだって、終電ギリギリまで働いてるんだからな…」
自席に戻っても、Pの憤懣は膨らむばかりだった。「この間だって、いわれのないミスをオレのせいにされたり…課長に相談してもロクに確認もしてくれない。この会社、おかしいんじゃないか」
その夜。なんとなく“むしゃくしゃ”が収まらないPは、パソコンである掲示板サイトを開いた。
「そうだ、よーし」
Pはキーボードを叩いた。「○○食品の製品、○○には、人知れず○○が混入されている。食べる時には気を付けろ!」 それだけの内容だった。Pがなにか真相を知っているわけではなかった。言ってみれば面白半分のいたずらだった。
だが、この書き込みは思わぬ反響を呼び始めるのである。
ほとんどスルーされるとしか思っていなかった書き込みに、コメントが付き始めた。「それはオレも知っている」「最近食べたら変な味がしたがそのせいだったのか!」「イヤ○○食品についてはこんな話もある」など、およそPが予期しなかった内容が集まり始めたのである。
折しも食品の安全性を脅かす事件がたびたび起こっているせいもあったが、○○食品社にも、実は少し後ろ暗いところがあったらしい。
掲示板には、“中の人”と思われる投稿者からのとりなしや釈明もあった。掲示板は、それでさらにまた燃え上がった。
ついにマスコミが食いついた。
役員が記者会見に出て「事実無根」を強調したが、信じるものはいなかった。
「○○食品社、内容物を偽装か?」「ネットで次々と明かされる新事実」「商品調達ルートに黒い噂も」
そしてどこをどう伝って来たのか、最初の書き込みをしたPに接触してくるマスコミまでが現れた。「あなたは正義の告発者ですね、表に出るべきではありませんか!?」
Pはうろたえた。そんな事実を知っていたわけじゃない、そんな大それたつもりじゃなかった、そんな、そんな…。
取り返しのつかない騒ぎに、Pは頭を抱えるばかりだった。
※
この事例は、"風説流布"の事例をもとに脚色、再構成したものです。
解説
インターネットは、“世界”と繋がっている
少し極端な内容になりましたが、ひとつの“心ない”書き込みが、ネット上でどのような影響を持ち得るか、というお話です。
本来は、根も葉もない噂は根も葉もないまま終わってしまうのですが、たまたま似た兆候や噂があったり、ちょっとしたタイミングによって、このように悪い方へ思わぬ広がりを見せてしまう場合があります。
誰がどう見ているかわからない、オープンなネット社会。書き込みやコメントをする時には、読んだ人がどう感じるだろうか?という想像力が必要かも知れません。
ネット社会 軽い気持ちで 大やけど
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