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[事件簿63] もし近所に悪意の輩が潜んでいたら? 無線LANの覗き穴

「あ…あれ? あれ? ない…!」

オフィスの隣席で、営業・X谷が小声でつぶやいた。W子が横目で見ると、X谷がやや小太りの身体をゆすってスーツのあちこちをまさぐっている。

「なに? またなんか失くしたの?」

オフィスでは密かに“若女将”と称されているW子はまだ20代前半だが、時によっては部長もたじたじというヤリ手の営業アシスタント。当然、先輩であるX谷にもタメ口である。

「いや…あのう…、配布先のその…個人情報が…えっとUSBメモリに…お客さんの、あの」
「なーにしどろもどろになってんの! USBメモリ? 持ち出し禁止の営業データ、入れてたんじゃない? 失くすから気を付けろって、いつも言われてるでしょ。また叱られるんだから〜」
「え、えへへ。おかしいなぁ、今朝家を出る時に、確かに持ったのは覚えてるんだ…」
「だいたいUSBメモリなんて時代遅れなんじゃない!」
「へぇ? 時代遅れってことはないだろ? 安くなってるし、今をときめくビジネスツールで…」
「だって、システム部のMさんだってこう言ってたわよ…♪」

その「Mさん」の話になると、W子の目がハート形になる。W子は勢いに乗って話し始めた。

USBメモリは大容量のものが出て来て、値段も下がっている。手軽に持ち歩けるし、パソコンの機種もほぼ選ばないことから、確かに便利なビジネスツールではある。が、実は問題も多い。

まず、なんと言っても失くしやすい。
容量の増加とともに、保存できるデータ量も増えており、重要情報を入れたまま紛失したり、また故意に(不正に)外部へ持ち出そうとするケースもある。
USBを介して感染を広げるウイルスも少なからず出回っている。
さらに、USB経由で好みのアプリケーションを勝手に導入するケースがあり、システム部でもパソコン管理に苦慮している。

便利さは認めつつ、企業によっては「使用禁止」に踏み切る動きもある…。

「ね!」
「ね、って言われてもなぁ…なかったら困るし…パスワードとか暗号化とかセキュリティさえ気にしておけばさ…」

ぶつぶつ言い続けるX谷にしびれを切らして、W子は勢いよくX谷の方へ向き直った。ひゃあ、来るぞ…とX谷が首をすくめた瞬間、W子の表情が崩れた。

「あっははー! X谷さん、耳!」

X谷の片方の耳にちょこんと挟んであるUSBメモリを見つけて、W子は弾けるように笑っていた。


この事例は、実際にあった"USBメモリ"の事例をもとに脚色、再構成したものです。
シマンテックでは、ウイルスなどの脅威からパソコンを守り、安全なオンラインストレージを提供するなどの機能・サービスを備えた「ノートン 360」を始めとするセキュリティ対策ソフトを用意しています。


解説
手軽ゆえにリスクもある…使う前にちょっと考えて!


「便利には必ず脅威の芽が潜んでいる」…これは前回のサブタイトルですが、USBメモリにもこの言葉が当てはまります。文中にもあるように大容量化が進んでおり、仕事のデータやアプリケーションを丸ごと持ち歩くことができるために、逆にリスクも広がっていると言えるでしょう。
できれば使わない。使わなくてはならない時には、サーバ(オンラインストレージなど)を経由するといった代替手段がないかや、内容を暗号化できないかなどを検討しましょう。そして、パソコンではセキュリティ対策ソフトを活用する、などの対策をお忘れなく。




事件の教訓

失くしたら 「また買えばいい」では 済みません


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