あなたはどっちを選ぶ?「速くて静かなSSD」vs「大容量で安いHDD」(1/2)
「SSD搭載ノートパソコン」のような言葉を耳にされたことはないでしょうか?「SSD」は、最近普及してきた「記憶装置」の名前です。現在、記憶装置として広く使われているのは「HDD」ですが、最近ではSSDを搭載するパソコンも増えてきました。どちらも「パソコンのデータを保存しておく」という大変重要な役割ですが、それぞれ特徴があります。この違いを知っておくと、あなたの理想のパソコン選びに役立ちますよ。
公開日2014年5月21日
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パソコンのデータを保存する記憶装置
SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)やHDD(ハード・ディスク・ドライブ)は、パソコンのデータを保存する「記憶装置」です。パソコン内のプログラムや、文書・写真・音楽など、すべてここに保存されています。
パソコンを使っているとき、この「記憶装置」の部分を使わない、ということはまずありません。データの書き込みと読み込みを繰り返す部分なので、パソコンの快適さにも非常に影響を及ぼすパーツです。
SSDもHDDも、パソコン内での役割は同じです。それぞれに特徴があるので、紹介していきます。
SSDとHDDを比べてみよう
SSDには大きく2つの特長があります。1つ目は、「高速なデータの読み書き」です。その速度は現在普及しているHDDの約3倍、とされています。データ量や使用環境などによる違いはありますが、パソコンの起動やデータの処理など、さまざまな場面でその速さを体感できることと思います。
2つ目は、「衝撃に強く、静穏性が高い」です。SSDは物理的な駆動部分がない構造(次のページで紹介しています)なので、持ち運んで使うパソコンやタブレットには最適です。
ただし、このように利点が多い反面、価格も高くなっています。
対して、HDDのもっとも大きな特徴は、「大容量でも価格が安い」です。例えば、500GB(ギガ・バイト)の内蔵HDDが、安いものですと5,000円前後で購入できます。100GBあたりの価格で比較すると、SSDの約1/10になるほどの安さなのです。写真や動画など、データサイズが大きくなりがちなファイルをたくさん扱うときには、大容量のHDDが適しています。
一例ですが、「システムやプログラム」をSSDに保存して高速起動を実現し、「写真や音楽などのデータ」は外付けの大容量HDDに保存しておく、という使い方なら、どちらの特長も活用できますね。
SSD | HDD | |
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100GBあたりの価格 (2014年5月現在) |
約10,000~15,000円 | 約1,000~2,000円 |
読み/書き速度 | 450MB/s前後 | 150MB/s前後 |
メリット |
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デメリット |
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次のページでは、SSDとHDDの構造をイラストで紹介します。
ランダムアクセスでSSDの能力が発揮される
ユーザーがインストールしたり、作成したりしたデータが、記憶装置の中に連続して書き込まれているとは限りません。データを削除したり、再び保存したりすると、書き込みできる場所が細切れになって、バラバラの位置に記憶されるようになります。パソコンを長い期間使用するほど、データのバラつきは増えていきます。
データがバラバラになっても、記憶装置はデータが保存された場所の情報(インデックス)をたよりに、ダイレクトにデータを読みにいきます。このことを「ランダムアクセス」と言います。
それに対して、連続した場所にあるデータを読み出すことを「シーケンシャルアクセス」と言います。
実は、シーケンシャルアクセスの速度は、SSDとHDDでそれほど差は出ませんが、ランダムアクセスでは大きな差が出ます。次のページで、機器のしくみを解説しますが、SSDは電気的に情報を記録するため、ダイレクトに情報を取り出せます。それに対して、HDDはデータが保存されている磁気ディスクを回転し、ヘッドを移動してデータを読み書きします。
SSDとHDDの大きな速度差は、この情報の取り出し方の違いなのです。