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まずは触れてみる
子どもに切実感を持たせることが大切
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観察や調査で知識の幅を広げる
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背伸びしない国際化
校舎入り口に掲示されている各国語の挨拶
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先進性だけでなく、自然や歴史も大切にするバランスが必要
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| Q. |
学校での情報教育に関して、この半年〜1年間に何か変化はありますか? |
日本の国はまず企業におけるIT化を最優先で進め、そこで培われた技術や成果を学校や社会に適用していこうとしているようです。
ここ、つくば市は、ある意味、学校IT教育のモデル地域ですから、国や自治体のサポートを受けながら、教育ポータルサイトの整備や教育コンテンツの提供、教員研修の高度化、そして個性を生かしたIT教育を実現によって、子どもたちにとってよりよい教育環境の整備を進めています。
例えば、新しく導入されたWeb CAIのシステム。教師が自分で教材を作ることができるので、クラスの実態や子どもの能力に応じたきめ細やかな対応が可能になり、基礎、基本の学習がより充実します。
今までも、子どもの進み具合に応じて授業を進めることはしてきましたが、それぞれの子どもがどういう状況か、一人一人のノートを覗き込んで確認したりと、けっこう時間がかかっていました。
これを、パソコンとネットワークを使って行うことで、先生は自分のパソコンから、それぞれの子どもの進み具合やつまずいた点などを、迅速に把握できるようになり、適切なアドバイスや指導が可能になります。
子どもに、基礎、基本の学習を行うよりよい環境を作ってあげられます。 |
| Q. |
教師の教え方も、従来とはかなり違ってきそうですね。 |
ITを利用するから、そうでないからといったことはないと思いますが、とにかく、子どもに切実感をもたせることが、私は大切だと考えています。
5年生の理科の授業で、1人ずつメダカを卵から育てて観察したことがあります。授業が終わった後、メダカを川か池に放そうということになったんですが、それで大丈夫?って疑問が出ました。
卵から一生懸命育てたメダカを絶対死なせたくない。そうすると、川、池の水や環境が子どもにとって切実な問題に変わるわけです。
また、人との関わりがあると切実感が全然違います。発表したことに間違いの指摘があったり討論が始まったりすると、子どもはもう必死で相手を納得させようとします。
例えば、中学校との共同学習「河川プロジェクト」をやったとき、テレビ会議システムを通して中学生が「何か発見ない?」と呼びかけてきました。6年生が「学校脇の池に、きれいな水にしか棲まないオオマリコケムシっていうのがいた」と言うと、中学生がとても驚いて、「それ、見たい」と言ったんです。
そう言われた6年生はもう夢中です。必ず見つけ出すために、どういう所にいて、何を食べるのかなど、必死で考え調べます。
切実感をもたせて、背中をポンとたたいてあげると、子どもたちは何とかしたいという気持ちから、自主的にどんどん発想を広げていきます。
そういう学習の広がりを持たせてあげるのが教師の役目。指導ではなくコーディネートですね。
そして、このような体験や人との関わりあいから、自分で考えて判断できるたくましい子どもになってってほしいと思っています。 |
| Q. |
情報教育に関して、親に対する要望はありますか?また、親の姿勢は子どもに影響するのでしょうか? |
保護者の方には、もっとどんどん学校に来て見てほしいですね。
「情報教育ではどんなことをやっているのですか?」と質問はあるのですが、説明しただけではわからないと思います。ぜひ、見てください。そして、要望や意見を言ってもらえるとうれしいですね。
また、ご家庭にパソコンがあるなら、保護者の方も子どもと一緒に楽しんでください。「難しい道具」と頭で考えずに、とにかく触ってみるのが一番です。
情報教育に限らず、子供にとって、家庭や親の存在はとても大きいものです。特に総合学習は、結果よりも、その過程や結果を応用して、知識の幅を広げていくことが重要です。学校だけでなくご家庭でも学習結果を活用してください。
例えば川を調べたとしたら、家族で旅行に行った先で川を見たときに、調査した学校の近くの川とその川の違いや類似点を観察するなど、おうちの方も一緒になって学習結果を発展させられれば、さらに充実した知識が子どもたちの身についていくと思います。 |
| Q. |
授業で情報機器を使われる意義は何ですか? |
授業をする上で、便利でより都合がいいから、情報機器を使っているだけなんです。
「鉄は熱いうちにうて」じゃないですが、子どもたちが興味をもったときに、チャンスを逃さず、すぐに学習できるのが情報機器、特にモバイル機器の最大の利点です。
子どもたちには、特にパソコンでの発表を強制したり勧めたりしているわけではありません。しかし、動画を使えば説得力がある、近くにいない人とも一緒に学習ができる、加工がしやすい、発信できるなど、情報機器を使うことのメリットは子どもが一番よく知っていて、上手に使っています。
また、この先々、子どもたちには、情報そのものを使いこなす力が必要になってきますが、情報機器を活用すると、そういった力もつけやすいと思います。 |
| Q. |
先生にとって、情報機器とは何でしょう? |
子どもたちがしたいと考えていることを、実現させてあげられる道具。そういうふうに考えています。
そのために、もっともっと子どもと一緒に学んで活用したい。子どもの学びを広げてあげられるのはもちろん、私たち教師自身の指導力の幅も広げてくれる。もっとこうしたいということをかなえてくれるのです。
そして、そうしたことによって、子どもたちがとても喜んでくれて、ぐんと成長するを見ると、すごい満足感、充実感があるんです。
情報教育に力を入れているのは、子どもの笑顔が見たいからっていうのが一番大きいかもしれません。 |
10ヶ月もの間、ていねいに親の質問に答えてくださった本気先生。
とにかく「子どものために、子どもの笑顔のために」と繰り返しおっしゃいます。
つくば市の情報教育は、何回お聞きしても本当に充実しています。
実際、2学期には国の要請で、イギリスの小学校の校長先生クラスの視察団を受け入たそうです。視察団は、その充実ぶりに驚いていたとか。
しかし、他の学校と比べて、突出した設備があるわけではありません。与えられた資源を最大限に活用して、子どもたちのためにがんばっている大人たちの力が、この充実度を生み出しているのです。
本気先生がいつもおっしゃるとおり、最後はとにかく「人の力」が一番大切なんだと改めて感じさせられました。
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| 野村光弘先生 プロフィール |
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茨城県つくば市立並木小学校教諭
自治体をあげて、先進的な情報教育を行っているつくば市の中でも、とりわけ熱心な取り組みで知られる並木小に赴任して5年目。
情報教育担当として、パソコン、インターネットなどを活用した授業やクラス運営など、同校の先進的な情報教育を積極的に推し進めていらっしゃいます。
本気先生は、もともとパソコンに詳しくもなければ、好きでもなく、「5年前は、自分のパソコンを持っていませんでした」とのこと。
現在、受け持ちクラスは6年生。
いつも、子どもたちに「本気でやろう」と声をかけていることから、いつからか”本気先生”と呼ばれるようになったそうです。
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