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大人は教えすぎ、メディアは与えすぎ
豊かなコミュニケーションとは何か
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教育の現場で最近特に思うのは、学校の先生を始め、ITやメディアの教え過ぎ、与え過ぎ。
大切なのは意志ある子どもにすること。だったら、たくさん言うより、子どもが自分の頭で考える時間、2分待つ方が、ずっと効果的。最近「沈黙の力」と「一人で思考すること」の大切さをつくづく感じる。
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沈黙が愛を伝える◆
10年以上前、札幌市民病院の院内学級で「沈黙の力」を教えられた。
音と映像がリアルタイムで届くテレビ会議システムを使って、画面の向こうの校長先生は、入院中の子どもたちがラジオ体操をする姿を、笑顔でただ黙って見ているだけ。
「子どもたち、テレビの向こうで校長先生が見てくれている時とそうでない時で差がありますか?」と病院にいる教頭先生に聞いたら、「全然違います。出張などで校長先生が見てないと、あまり腕を上げたりしません」との答え。
子どもたちは、一番偉い人が見つめてくれることがうれしくて、体をいっぱい動かす。リハビリが進む。ただただ、画面の向こうの校長先生の眼差しが、子どもたちに力を与えている。
豊かなコミュニケーションとは、人間の心を引き出す力。
それは質の良い映像でも音でもなく、「愛ある沈黙の眼差し」だった。豊かな優しい心で愛を伝えることが大切であることに気づかされた瞬間。
今、学校でもプレゼンテーションのスキルが重視されているが、そこに心がなくスキルだけなら、ただ空虚なだけ。相手の胸に響かない。
コミュニケーションとは、「このことを伝えたい!」という強い思い、願いそのもの。時に、千や万のことばより、あなたのことを見つめているという眼差しこそが愛を伝える。 |
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動画、ブロードバンド時代のメディアのあり方
「知と感」が一体で伝える
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人はことばや文字を得たことで、離れた人と共通概念を持てるようになった。
人間にとって共鳴するのは、生きること、命そのもの。
かつて、遠く離れた者どうしの共鳴手段はことばや写真だったが、そこに動く写真、「動画」が出現した。
それは、次々に新しい瞬間を目の前に現し続ける。情報量、インパクト、予感。動く映像・・・それは、今までのメディアと天と地の差がある。
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インターネット時代の「伝える」ということ◆
何かを伝えようとした時、受け手は、相手の人間の何かが面白いから、興味があるから聞こうとする。伝える側の思い、そして受ける側の学ぶことへのモチベーション。両方があって初めて、伝え、伝わる。それには知識だけでなく感性が必要。
そもそも知性と感性は密接な関係がある。それを分けてはいけない。知と感が一体となった、思いのこもったものしか伝わらない。
人は成長したいという本能を持っている。人間は「知る」ことで成長する。そして、自分を成長させるものを本能的にかぎ分ける、よりよき「知」を見極める力をつけるのが教育の役割だと思う。
「知」を伝えるための手段であるメディアには、それぞれの特性に合わせて、送り手がありったけのエネルギーで思いを込めなければならない。その覚悟なしに使われた時にそのメディアは退化する。
動画は生きているように動く。だから、私は生きている力を使って「動画」に思いを込める。こんなふうに・・・。
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インターネット時代のものの見かた◆
動画は、他のメディアと比べて現実に近い。しかし、近いだけで事実ではない。伝えられないことがある。1つのメディアだけでは危険。例えば携帯電話の動画は、何かのごく一部。それだけではダメ。
物事はミクロとマクロが一体化している。そして、ディテールに神は宿る。同時に、全体を見る視線「俯瞰」が大切。それは神の視点で見ること。部分と全体、両方を感知できる人間になる必要がある。
俯瞰をポイントに、動画も文字も含められるWebというメディアで、新聞を作った。それが「学校インターネット新聞」。動画と文字の力で訴える未来メディアの1つの形。
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知識やSkillではなくWill!
21世紀の教育は「意志ある学び−未来教育プロジェクト学習」
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2000年のOECDの学力調査でフィンランドが1位になった。
その鍵はプロジェクト学習とメディア教育。先生は知識を教えない。子どもたちの気づく力を引き出す。知識は教わるものではなく、自分で獲得して初めて生きる力になるということを大切にしている。
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21世紀の教育◆
「未来教育プロジェクト学習」は意欲と意志を引き出す学習。何のために、何をやり遂げたいのかを子ども自身が知り、そのために自分で考え、自分で行動して結果を出す。
特徴は3つ。
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テーマ(ビジョン)とゴールを明確にする |
(左:「防災」プロジェクト学習イメージ図) |
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ポートフォリオ(個人の学習や制作の履歴)で自己評価をしながら進める |
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「プロジェクト学習の基本フェーズ」(下図)で進める |
「プロジェクト学習」の学習のゴールは、社会のニーズに応えるものであること。自分のやったことが、誰かの役に立つ。だから、子どもがやる気になる。
例えば、地震について調べ、発表して終わるのではなく、「防災」プロジェクトの成果物として、最後にやったことを再構築し「地震対策ハンドブック」を作るというようにする。それは自分自身にも人にも役立つし喜ばれる。その実感が、子どもたちの自信と誇りになり、更なる意欲を引き出す。
自分が役に立つという経験は、子どもたちの今後の人生をきっと価値あるものにするだろう。
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大人たちへ◆
親も先生も「〜さんを見てごらん」など、人と比べないで。それは意味がない。人はみな違うのだから。違うからステキなのだから。
大人は子どもたちのように環境を整えてもらって勉強するものではない。自分で勉強し、自分で人の役に立つように動かなければもったいない。
私は、いつでも「自分を使いきりたい」と願っている。何かがほしくてやっているのではない。そうせずにはいられないから、こうやっている。何もいらない。でも、そう思ったとき、何か大きなものを得ている。 |
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