インターネット知識の泉

最近ニュースで「DX（ディーエックス）」とか「デジタルトランスフォーメーション」ってことばをよく聞くんだけど、何のことかぜんぜんわかんないや。

DXについて知りたいのかな？DXは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、デジタル技術の広がりによって、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させることをいうんだよ。ビジネス用語として使われる場合は、デジタル技術とデータを活用して仕事のしくみや製品、サービス、組織などを変えて、他の会社よりも儲（もう）かるしくみをつくるような意味になるかな。

ちょっとむずかしいね。

とりあえずは「デジタル技術を使って世の中を便利で快適にすること」、「デジタル技術やデータを使ってサービスや会社のしくみ、働き方を変えていくこと」って覚えておけばいいかな。

なるほど！

DXについて順番に説明するね。

■DXで目指していることは？

IT化とかデジタル化ってことばもあるけど、DXとは何がちがうの？

目的がちがうんだよ。IT化やデジタル化の目的は、仕事の効率化なんだ。例えば、紙の資料をワードやPDFのデータにすれば、いつでも修正できるし、コピーや印刷の手間もなくなるからね。一方のDXの場合は、デジタル技術はあくまで道具として使うもので、目的は働き方やサービス、会社のしくみを変えていくことなんだよ。

そうなんだ！

デジタル化して今まで使いづらかったものが使いやすくなればみんなうれしいよね。そういった新しいサービスや製品をつくることができれば、会社もより成長できる可能性があるし、働き方が変われば長時間労働や転勤の必要もなくなって、より自由な環境（かんきょう）で働けるようになるかもしれないね。

■日本でDXの取り組みが進められているのはなぜ？

最近ニュースとかでDXっていわれているのはどうして？

デジタル技術がいろいろなところに広がっていて、新しいサービスやしくみをつくりだせるようになってきたのが大きいね。AIやクラウド、5G、VRなどの技術はどんどん進化していて、データを集めたり、分析（ぶんせき）したりする環境が整ってきたからね。データを集めて分析することはとても重要で、企業（きぎょう）にとってより良い製品やサービスをつくって成長するチャンスが増えているんだ。

うちのお母さんも最近はネットショッピングで何でも買えるからすごく便利って言っていたよ！みんなが買った商品の情報も分析しているんだね。

そうだね。データがたくさんあつまれば、より細かく分析できるから、ユーザーの不満や問題を解決して製品やサービスがどんどん良くなっていくんだよ。あと、日本の場合は昔のシステムを今も使い続けている会社が多いから、変化がはげしい時代に対応するためにはDXの取り組みが必要という事情もあるね。

■DXの事例にはどんなものがある？

DXでは具体的にどんなことをやっているの？

例えば、農業の分野ではドローン（無人で空を飛ぶ機体）とAIをくみあわせて、農薬の散布を自動化するようなしくみがあるね。AIでデータを分析して、害虫の発生している場所を中心に農薬の散布をすることで、なるべく農薬を使わないようにできるからとても効率的だね。

そういうしくみが広がれば、農家で働いている人は負担が減りそうだね。

動物を管理するような仕事の場合は、センサーやカメラで動物の体調や行動をコンピューターが確認して、異常があれば知らせてくれるようなしくみもあるんだよ。毎日、人が動物の状態を確認していると、どうしても時間や体力、費用が必要になるけど、センサーやカメラとAIをくみあわせればコンピューターが24時間休むことなく働いてくれるよね。人がやっていた大変な作業をAIに任せることができれば、作業の負担が減るし、空いた時間で別の作業ができるから人手不足でなやんでいる環境にはぴったりだね。

それはすごいね！

■DXに課題はある？

DXっていいことばかりなの？

DXにも課題はあって、「何のためにDXに取り組むのか？」という目的がないままデジタル化をしても、単に効率化するだけで終わってしまうんだ。効率化も大事なことなんだけど、重要なのはデジタル技術を使っていろいろな問題を解決したり、しくみやサービス、働き方を変えたりしていくことだからね。DXを進めるうえで、デジタル技術を活用して新しいサービスやしくみを考えられる人もなかなかいないから、そういう人を見つけて採用するのも大事なことだね。

わたしも将来のためにDXについて勉強した方がいいかな？

ゲームでもいいからプログラミングやVRで実際に遊んでみるのが良いかもね。そのうえで、生活の中で不便に思うことについて、デジタル技術で解決する方法がないか考えると良いかもしれないね。

は～い！