インターネット知識の泉

新聞に書いてある「ブロックチェーン」って何のことかな？

ブロックチェーンについて知りたいのかな？ブロックチェーンはインターネットに接続されているたくさんのコンピューターを直接接続して、取引などの情報を記録する技術だね。情報の記録をするからデータベースの一種ともいえるね。

そうなんだ！

ブロックチェーンは、もともとは暗号資産のビットコインを実現するための技術として2008年に発表されたんだけど、今では他の分野での応用が期待されているんだ。

暗号資産もよく聞く言葉だけど、ブロックチェーンとはちがうの？

ビットコインなどの暗号資産と、ブロックチェーンはちがうものなんだよ。ビットコインはブロックチェーンの技術を使って運用されている電子データの資産のことだよ。ブロックチェーンは暗号資産を支える技術として使われているんだけど、他の分野でも利用できる技術だから注目されているんだ。ブロックチェーンについて順番に説明するね。

■ブロックチェーンの基本的なしくみ

ブロックチェーンはどんなしくみで動いているの？

取引の記録をひとかたまりにしたブロックがあって、新しい取引が記録されるとブロックが追加されるんだ。それぞれのブロックを時系列順にチェーン（くさり）のようにつないでデータを保管しているから「ブロックチェーン」と呼ばれているんだ。

なるほど！

そうした取引の記録をたくさんのコンピューターに分散して保存するしくみになっているんだよ。

そうなんだ。

複数の暗号化のしくみがあるから、セキュリティ上の安全性もすごく高いんだ。

■ブロックチェーンの特徴

ブロックチェーンは情報を記録する技術って言っていたけど、どんな特徴（とくちょう）があるの？

ブロックチェーンで記録された情報は改ざんしたり、消去したりすることがほぼ不可能という特徴があるんだ。だから記録された情報が信用できるんだよ。お金のやり取りをするようなサービスの場合、改ざんされるとこわくてだれも使わなくなるからね。

悪い人が勝手に情報を変更（へんこう）できないのはすごく良いことだね。

あとは、記録された情報はたくさんのコンピューターに分散して管理されているから、トラブルなどでサービスが停止してしまう可能性がとても低いんだ。一部のコンピューターが停止しても他のコンピューターが動いていれば問題ないからね。

一台だけで情報を管理しているサービスよりも安心なんだね。

他にも、お金のやり取りをするような場合に銀行などを仲介（ちゅうかい）することなく直接安全なやり取りができるとか、仲介者がいないから手数料などのコストを低くできるのも特徴だね。

■ブロックチェーンの課題

ブロックチェーンにも課題はあるの？

そうだね。複数のコンピューターで分散して動くしくみだから、どうしても処理がおくれることがあるね。たくさんの情報をすぐに反映するような使い方には今のところ向いていないかもしれないね。

そうなんだ！

あとはビットコインなどの膨大（ぼうだい）な計算が必要なしくみの場合は電力を大量に消費することがあるね。まだ登場したばかりの技術だから、いろいろな分野でどうやって使うのが良いのか試しているような段階かな。

■ブロックチェーン技術の活用分野

ブロックチェーンは例えばどんな分野で使えるの？

ブロックチェーンは金融（きんゆう）、ゲーム、音楽、映像、アート、不動産、チケット管理、インターネット投票など、はば広い分野での活用が期待されているんだ。

たくさんあるんだね。

医療（いりょう）分野での例をあげると、過去の病歴や使用している薬などを記録する形式が病院によってバラバラで、患者（かんじゃ）本人もその情報を利用することができないという問題があるんだけど、その問題を解消するためにブロックチェーンが活用できるんだ。

どうやって活用するの？

病歴や使用中の薬などの医療記録をブロックチェーン上に記録することで、いつもとはちがう病院に行った場合も一から説明せずに病歴などを確認してもらえるようになるね。すべての病院が同じシステムを使えば、個人のデータをわからないように処理したうえで国が統計データを作成できるようになるから、医療サービスの向上や予防方法の普及（ふきゅう）で患者を減らすことができるかもしれないね。

そうなればすごく良いね！

ブロックチェーンがいろいろな分野で使われるようになれば、今よりも安全で便利な社会になっていくと思うよ。

うん！