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ロボットによる産業革命~ロボティックスはなぜ重要なのか~

2018/10/3  提供:D-SCHOOL

こんにちは!英国在住10年目のラッドです。
現在、イギリスの中等学校で日本語教師をしています。以前は、日本で英語の教師をしていました。
今回は、ロボティックスに関心のある皆様に役立つ情報をお届けしたいと思いますので、お付き合い願います!

1.ロボットによる新たな産業革命

ロボティックスとは、ロボットの設計や製作、運転に関する研究のことであると一般的に理解されています。ロボティックスで創作された有名なロボットには、宇宙飛行士のKIROBOや犬型ペット・ロボットのAIBOがあります。人々の仕事や生活を助ける、こうしたロボットの需要は年々増えています。
日本政府は、日本再興戦略の一部として、ロボットによる新たな産業革命を打ち出しています。その中で、2020年を目標とし、ロボット市場を製造業界で2倍、その他の業界で20倍に拡大すると掲げています。加速する少子高齢化、労働力の減少、さらに、需要拡大に伴う生産性の強化、労働力の賃金上昇に伴う労働コストの増大等への対応が必要になってきたことを起因として打ち出されました。こうしたロボット関連の政策は、日本だけではなく、アメリカ、ドイツ、中国等においてもすでに進められ、新たな産業革命への準備が進行しています。

2.ロボットが期待される分野と現状

現在、ロボットは、製造、介護、医療や、危険を伴う分野で使用されています。製造業においては、ロボットの使用で人件費を節約し、製品の質を高めることができます。そのため、東南アジア等の新興国に工場をもつ先進国は、産業用ロボットの導入を進めています。介護分野では、高齢化の進む先進国においては、特に介護負担者の労働力の軽減や支援を図るための介護ロボットの開発や導入が盛んです。

医療分野では、手術支援ロボットの導入により、今まで不可能であった手術が可能になるなど、医療の進展への貢献が目立っています。将来も期待される分野です。また、危険を伴う領域では、ドローンを始めとする無人小型飛行機により、危険な場所への偵察調査や災害への対応が可能となっています。

このように、ロボットが様々な分野で私たちを助けているのです。現在、IoT(モノのインターネット化)やAI(人口知能)が凄まじいスピードで進展しています。これは、ロボットの需要が広範囲の領域でますます増えていくことを意味しています。

3.ロボティックスの学習の5つの利点

私たちの社会がロボットを必要とするならば、ロボティックスの学習が今後どんどん注目されるようになるでしょう。就職に必要なスキルとして、英会話やコンピュータの基本操作の他に、ロボティックスの知識や技能が要求される日も近いのでは?

カナダやイギリスの教育関係者は、ロボティックスの学習が学習者に与える利点について報告しています。
その中から5つの利点を紹介します。

(1)学習者が楽しみながら体験学習できる
学習者は、年齢を問わず、可能な範囲でロボット学習に関わることができます。年齢の低い児童であれば、レゴ・ブロックでロボットを作ったり、ロボットについて友達に説明したりといった楽しむ学習活動を通して、ロボットへの興味関心を高めることができます。

(2)実際のロボットを観察することで短所と長所を発見できる
学習者が実際にロボットを観察する機会はそれほど多いとは言えません。ロボットを導入した学習により、その動きを目の前で観察し、ロボットの短所と長所について学ぶことができます。プログラミング学習の一部として体験学習できます。

(3)ロボティックス関連業界への興味関心を育てることができる
学習者のロボティックス関連業界への興味関心を高めることができ、そこで求められる基本を学ぶことができます。

(4)問題解決能力や創造力を向上させることができる
問題解決能力(問題の把握、リサーチ、限界の認識、テストの実施、解決などを含む)や創造力は、様々な業界で求められるようになってきています。これらのスキルは、仕事だけではなく、個人の生活やレジャーでも活用できる応用可能なスキルとしても注目されています。充実したライススタイルを実現するために是非習得したいスキルの一つです。

(5)個人の興味関心や能力に合った学習分野を発見できる
ロボティックスの学習には、構成、プログラミング、センサー、操作といった様々な分野の学習が含まれます。そのため、個人の興味関心又は能力に適した学習分野を発見し、その知識や技能を深めることができます。

まとめ
ロボットは、今後たくさんの分野で活躍することは間違いありません。特に日本では人口減少の観点からもロボットの労働力が期待されています。大事なのは、ロボットといかに共存するか。AIでもそうですが、人間は人間の得意なことを、ロボットはロボットが得意なことをやることにより、今まで以上に豊かな社会が築けるのではないでしょうか。次回は、イギリスの学校でのロボティクス学習の取り組みを見ていきたいと思います。

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