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マカフィーセキュリティニュース

10万円以上の被害も! スマホの「ワンクリック詐欺」、実情が明らかに

トラブルを未然に防ぐには?

マカフィーがMMD研究所と共同で行った「スマートフォンのトラブルに関する調査」で、ワンクリック詐欺被害者のうち10万円以上の被害を受けたモバイルユーザーが1割を超えるという衝撃的な事実が分かりました。この調査は、スマートフォンユーザー2875人を対象に行ったもの。結果からは、ワンクリック詐欺の被害経験がある人は全部で16.7%にものぼることや、男女別では女性が被害に遭うことが多いといった傾向が見て取れます。今回のセキュリティニュースでは調査結果の概要をご紹介するとともに、そうしたトラブルを未然に防ぐための基本的な対策について考えてみます。

11割以上が10万円を超える被害額

スマートフォンの普及率が年々上昇するなか、スマートフォンユーザーを狙ったサイバー犯罪やトラブルが増加の一途をたどっています。マカフィーと日本最大のモバイル専門マーケティングリサーチ機関であるMMD研究所は6月、その実情を探るべく「スマートフォンのトラブルに関する調査」を実施しました。
まず、有効回答のあったスマートフォンユーザー2875人のうち、ワンクリック詐欺を見かけたことがあるという回答は22.5%。それと認識しているだけでも、5人に1人以上の割合で、危険に接したことがあることが分かりました。気付かずに見てしまっている人はもっと多いかもしれません。
そして、実際に被害を受けた経験があると回答した人は、16.7%も。被害額としては、1万円以下の比較的少額である場合が60.2%と圧倒的に多くなっています。「(数千円ぐらいと思って)つい払ってしまった」というケースが多いとみられます。
その一方で、5万円〜10万円、10万円以上という多額の被害を受けたことがある人もそれぞれ1割以上に達しています。これだけの被害が生じていることに、驚いた人も多いのではないでしょうか。

2いま被害に多く遭っているのは女性と30代

次に、ワンクリック詐欺の被害経験がある人を性別で分けてみましょう。すると男性よりも、女性のほうがワンクリック詐欺の被害に遭いやすい傾向があり、今回回答した女性の5人に1人が被害経験があると回答していました。
年代別では30代の被害が最多。その次に、スマートフォンを使い始め、モバイルリテラシーを学んでいる最中の10代が多くなっています。
また、40代以上の被害経験は、平均以下となっています。しかし、今後は中高年層にもスマートフォンの普及が進んでいくとみられ、実際にモバイルキャリアは、シニア向けのスマートフォンなどのモバイル端末や、料金プランを押し出すなどしています。近い将来、年代を超えてスマートフォンの普及率が上がると、40代以上の被害も広がっていく可能性があることに留意しておきましょう。

3「カモ」にならないための対策

スマートフォンなどの便利なデバイスが幅広い世代で使われるようになるなか、サイバー犯罪やトラブルも予想を超えて拡大、被害の数も総額も多くなってきています。電話やネットを使った詐欺行為自身は目新しいものではありませんが、サイバー犯罪者はスマートフォン向けネット広告からスマートフォン向けサイト、詐欺電話、詐欺アプリを巧みに使い「カモ」となるターゲットを日々探しています。

「カモ」にはならないようにするためには、まずは下記のような対策を。
  • 万が一不当請求されてもまずは相手に対し無用な返信や応答をしない
  • 心配であれば、消費者センターに問い合わせてアドバイスをもらう
  • ・モバイル向けセキュリティ製品を活用する

セキュリティアドバイス

周囲の人と、ネット詐欺について情報共有を

ワンクリック詐欺を仕掛けてくるのはサイバー犯罪のプロです。さまざまな技術的・心理的な罠を仕掛け、私たちスマートフォンユーザからお金を騙し取ろうと企んでいます。詐欺の手口も少しずつ洗練されてきており、いろいろな経路で詐欺サイトやアプリへ誘導しようとしています。しかし、常日頃から「怪しい」「身に覚えがない」「ニュース等で良く見るあの不正請求画面だ」と意識しておく、知っておくだけで避けられることの多いトラブルでもあります。自分でこういったネット詐欺について普段から意識しておくだけでなく、家族や友人にも情報を共有するなどして、被害を防いでいきましょう。

モバイルエンジニアリング モバイルマルウェアリサーチャー 中島大輔

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