いま注意すべきネットのキケンと対策

インターネット(ネット)を利用する際に、セキュリティ対策は欠かせません。セキュリティソフトの導入はもちろん、怪しいサイトやサービスは利用しないなど、多くの人がすでに対策を行っていることでしょう。けれども、ネット上ではさまざまなキケンが続々と誕生しています。今回の記事では、ネットトラブルの中でも最近被害が多いものについて、そのキケンと対策の方法を解説します。

公開日2024年4月24日

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フィッシング詐欺で個人情報が漏洩する

どうやって被害にあうの?

銀行やカード会社、通販サイトなどの企業を装うメール中のリンクから、企業の偽サイトにアクセスさせ、個人情報の入力がうながされます。届くメールの内容は、カード会社から心当たりのないカード利用の通知、通信障害や災害後に届くお詫びや状況説明のメール、キャンペーンやセールのクーポン案内などです。誘導した偽サイトではログインがうながされ、入力したユーザーIDとパーワード、カード番号などが盗まれます。

カード会社からの連絡を装うメールの例。
リンクをクリックするだけで、アクセスした情報が抜き取られることもあるので、絶対にクリックしてはいけません。

どのようなキケンがあるの?

抜き取られた個人情報が悪用され、カードを不正利用されるなど、金銭的な被害が発生することもあります。あるいは、盗んだ個人情報が転売されて、別の悪徳業者に利用されたり、迷惑メールが大量に届き始めたりすることもあります。

対策はどうすればいい?

企業側からこのような連絡方法で個人情報の入力をうながすメールは届かないので、無視するのが基本です。そもそも送信メールアドレスやリンクのURLが企業のものとはあきらかに違う場合もあるので、まずは確認してみましょう。ただし、メールアドレスやリンク情報を偽装していることもあるため、気になる場合は、企業に直接問い合わせてみてください。あるいは、企業のトップページからたどって、該当の入力ページが本当にあるのか確認してみてください。

また、パスワードを使い回さないことも大切です。万が一、どこかで情報が漏れると、他で利用しているサービスまですべて被害に合う可能性があるためです。
もしも、金銭的な被害にあったら、最寄りの警察署に相談してみてください。

こんな偽サイトにも注意

メール以外にも、SNSや広告などから通販の偽サイトに誘導されることがあります。そこで商品を注文しても、もちろん商品は届きませんし、入力したクレジットカード情報が不正利用されることもあります。

こうしたサイトでは他のサイトに比べて料金が格安であることも多く、それにつられてアクセスしてしまいがちです。けれども日本語が怪しかったり、通貨の単位が「¥」ではないなどのこともあるので注意しましょう。

ランサムウェアで身代金請求される

どうやって被害にあうの?

ランサムウェアには、届いたメールのリンクをクリックして、リンク先のページから感染することや、添付ファイルを開いたときに感染することがあります。もし感染すると、パソコン内のデータが暗号化されて読み出せなくなったり、動作しなくなるなどの被害が発生します。その他にも、怪しいWebサイトへアクセスしたときや、取引先から受け取ったUSBメモリが感染していて、そこから広まることもあります。さらに、社内ネットワークでつながる他のパソコンなどへも一気に感染を広げることになります。

どのようなキケンがあるの?

「ランサム」とは「身代金」の意味です。必要なデータを取り出せなくなり困ったところに、データの暗号化を解除するパスワード費用の振り込みを求める画面が表示されたり、偽のサポート先へ誘導して高額なサポート費用の要求がされたりします。

万が一感染した場合には、被害を拡大しないためにネットワークから外れてください。また、どのような場合にも決して、身代金を支払ってはいけません。最寄りの警察に報告しつつ、セキュリティ事業者に相談してみてください。

ランサムウェアに感染するとデータにアクセスできなくなり、このような画面が表示されます。

対策はどうすればいい?

日々新しく生まれるランサムウェアですが、OSやアプリのソフトウェアメーカーも対策を行っています。他のウイルス対策の場合と同じく、プログラムの更新は必須です。さらにセキュリティソフトの定義ファイルを最新にアップデートしておくことも必要です。そして、万が一の感染に備えて、データの定期的なバックアップも欠かせません。
また、届いたメールの添付ファイルを不用意に開いたり、メール文中のURLをクリックしたりしないようにしましょう。まずはメールの差出人をしっかり確認するようにしてください。そしてメールアドレスが偽装されている場合もあるため、メール文の内容も確認するようにしましょう。文章の日本語が怪しかったり、いつものメールと文体が違っていることから、気づくこともあります。

サポート期限切れアプリやOSからウイルスに侵入される

どうやって被害にあうの?

日々進化するウイルスが、パソコンへ侵入する経路はさまざまです。中でも多いのは、OSやアプリの弱点(脆弱性)を突く経路。どのようなソフトにも弱点があり、メーカーはそれを発見するたびに改善して、更新プログラムを配布しています。けれども、ユーザー側が更新を怠ってしまったり、サポート期限が切れて更新されなくなったものを使い続けていると、ウイルスに侵入されやすくなってしまうのです。
多くの場合、悪質サイトにアクセスし、データをダウンロードしたり、表示された偽のウイルス警告画面をクリックしたタイミングなどに、ウイルスに感染してしまうことがあります。その他に、メールの添付ファイルを開くとプログラムが実行されて、ウイルス感染することなどがあります。

Webページの閲覧中にこのような警告画面が表示されることがあります。クリックすると、ウイルスに感染する場合があるほか、偽のサポートサイトに誘導されて、詐欺被害にあうことがあるので、ご注意ください。

対策はどうすればいい?

OSやアプリの更新は欠かさず実施しましょう。自動更新の設定が用意されているなら、必ずオンにしておいてください。また、サポート期限が切れたソフトを使い続けることはせずに、新しいバージョンにアップデートするようにしてください。

万が一感染したら、セキュリティソフトの駆除機能でウイルスの除去を試みてください。解決しない場合には、信頼できるセキュリティ事業者などに相談してみましょう。あわててセキュリティソフトを装う悪質なプログラムを実行してしまったり、悪徳業者に連絡することがないように、日頃から連絡先などを調べておくと良いでしょう。

違法サイトからウイルスに感染

漫画やアニメ、映画などのコンテンツを著作者や出版社の許諾を得ずに複製し閲覧できるような状態にしているサイトにも注意してください。こうしたサイトは、そもそも著作権を侵害する違法サイトです。さらに無料につられてアクセスすると、ウイルス感染の被害に合うケースも多く見られます。またそれだけでなく、他の悪質サイトに誘導されたり、仮想通貨の確認作業(マイニング)で報酬を得る業者から、CPUのパワーが勝手に使われて、パソコンの動作が遅くなるなどの被害も起こります。

そもそも著作権を侵害する違法サイトの利用は禁止です。インターネット上に違法にアップロードされたコンテンツをダウンロードしたときの罰則は、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金となっています。

セキュリティソフトも常に最新にしておこう

セキュリティソフトは、ウイルスの侵入をブロックする機能、万が一侵入された場合には駆除する機能などを備えています。

日々生まれる新しいウイルスやランサムウェアのなどの脅威を検知するために、セキュリティソフトは「定義ファイル」というウイルスの情報を記述したファイルを更新しています。そのため、常に最新の更新プログラムにアップデートすることは必須です。

さらに、セキュリティソフトには1年や3年などの利用期限があります。利用期限が過ぎると更新プログラムも利用できなくなるため、次のバージョンへのアップデートが必要になります。

[キーワード解説]その他にもあるネットにまつわるキケン

ネットにまつわるキケンはさまざまです。最近では、SNSに投資詐欺の広告が掲載されて被害が拡大したり、災害発生時に偽情報が掲載され、拡散されたこともありました。情報の真偽や信憑性、誤導に注意が必要です。ここではいくつかのキーワードについて、解説します。

  • ディープフェイク
    AIの進歩により、本物と見分けがつかない画像や動画を作成できるようになりました。こうした技術を利用して、本来は存在しない動画などを作成することをディープフェイクといいます。この技術を悪用して、政治家や著名人の言動をねつ造して公開し、多くの人をだます被害がおきています。その他にも、企業の経営者の声をねつ造して、振り込みをうながすような被害が起きています。
  • リベンジポルノ
    別れたり、交際がうまくいかない相手や配偶者の、裸など性的な写真や動画などを勝手に公開し、嫌がらせや復讐する行為をリベンジポルノと言います。防止するには、どれだけ親しくなっても、性的な写真や動画を撮らせたり、送ったりしないようにするしかありません。万が一被害にあったら、最寄りの警察署に相談するほか、ネット利用について詳しい弁護士に相談してみてください。
  • デジタルタトゥー
    インターネット上に公開されたデータは、完全に消し去ることはできないことから、デジタルタトゥーと言われます。個人情報や名誉を毀損する情報などが公開されたとき、データを削除しても、そのコピーが別のところで公開されていることがあります。また、個人でダウンロードして保存しているデータが、時間をおいて公開されることもあります。万が一被害にあったら、最寄りの警察署に相談するほか、ネット利用に詳しい弁護士に相談してみてください。

まとめ

ネット上のサービスは便利ですが、その裏にはさまざまなキケンがあります。すべてに共通する対策としては、OSやアプリを常に最新の情報にしておくこと、怪しいサイトにアクセスしたり、怪しいメールのリンクや添付ファイルを開かないことです。そして、安価や無料の情報につられたり、信頼度が低い相手の話や情報を鵜呑みにしないなどの対策は、日常生活と同様のものと言えるでしょう。

こんなサポートもあります

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