インターネットで銀行の取引ができるインターネット バンキング(ネット バンキングやオンライン バンキングとも呼ばれます)。その手軽さから、すでに利用している、あるいは、新しく始めようと思っている方も多いのでは?
現実世界と同様に、インターネット バンキングでも、犯罪者はあの手この手であなたの預金を狙っています。今や大手銀行だけではなく、地方銀行や信用金庫、信用組合にも被害は拡大し、2014年では、被害額は約29億1,000 万円で2014年から倍増しています。(出典: 警察庁平成26年中のインターネットバンキングに係る不正送金事犯の発生状況等について)
代表的な手口としては、以下のようなものがあります。
- 犯罪者が被害者に銀行を語った偽メールを送り、利用者ID、パスワードなどを入力させ、盗み取ります。その後、被害者になりすまして、銀行口座を操作し、預金を犯罪者の口座に送金します。
- 犯罪者が、インターネット バンキングを不正に操作するためのウイルスを作成し、ばらまきます。ウイルスの感染被害にあった被害者が、インターネット バンキングを利用した際に、ウイルスが被害者の預金を犯罪者の口座に送金します。
犯罪の手口は、次々と巧妙化しています。通帳やキャッシュカード、銀行印を大切に保管して守るように、インターネット バンキングを利用する場合は、次の5か条を守る必要があります。
まずは、基本的なセキュリティ対策をしっかり行うことで、インターネット バンキングの被害から身を守ることができます。反対に、被害に遭う大きな原因は、これらの対策がしっかり行われていないことにあります。気がついたらお金がない!なんてことにならないようしっかり対策しましょう。
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最新の状態で利用しよう
PC、スマートフォンやタブレットでは、基本となるOS(Windows、Android、iOSなど)や利用しているアプリに、セキュリティ上の弱点(脆弱性)があります。この脆弱性を悪用して、犯罪者は悪事を働きます。
公開されている更新プログラム(アップデートと呼ばれることもあります)は必ず適用し、最新の状態で利用することが重要です。多くの場合は、自動で更新を行う設定になっているか、設定利用可能な更新プログラムがある場合は、通知が行われます。利用している機器の設定を確認し、更新を行いましょう。「セキュリティ更新プログラムを適用しよう」も参考にしてください。
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マルウェア対策は必ず使用
犯罪者は、ウイルスに代表される悪意のあるソフトウェア(マルウェア)を利用して、あなたのPCやスマートフォンを自由に操り犯罪を行います。マルウェアの感染を防ぐために、セキュリティ対策ソフト(マルウェア対策ソフト)を必ずインストールし、提供されるアップデート(定義ファイル)を適用し、常に有効な状態にしておきましょう。「 マルウェアからコンピューターを守ろう」も参考にしてください。
もし、不特定多数で共有されている、あるいは公共のパソコンを利用している場合などで、最新の状態になっていない、マルウェア対策がきちんと行われているか不安な場合は、インターネット バンキングの利用は控えることも重要です。
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不正なURLやメールに反応しない
犯罪者は、銀行を装い、不特定多数のメールアドレス宛に「カードの番号をすべて入力してください」「サービス利用には本人認証が必要です」などと誘い、リンク先のウェブサイトで、パスワードや暗証番号の入力を求めるメールを送ります。詐欺を防ぐために、銀行は、メールで本人確認を求めたり、カードの番号の数字の入力を求めることはありません。このような場合は、詐欺の可能性を疑い、銀行やオンライン サービスのホームページ上の注意喚起を確認し、判断がつかない場合は、銀行の相談窓口への問い合わせなども検討しましょう。
「クリックするその前に!気を付けたい「怪しいリンク」5つの特徴
」も参考にしてください。
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追加のセキュリティ対策を導入する
よりセキュリティを高めるための設定として、ネット バンキングの利用時に本人確認を2重で確認する設定が、提供されている銀行もあります。電話やアプリケーションを利用した「2段階認証」(2要素認証)、ワンタイム パスワード などの機能があります。初めは「難しそうだな」と思うかもしれませんが、現在知られている犯罪者の手口から、あなたの預金を守る大切な対策です。銀行ごとに、動画や相談窓口などでわかりやすい解説を行ったりしています。ぜひ、導入を検討してみましょう。「使ってみよう! 2段階認証」も参考にしてください。
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手口をこまめに確認しておく
多くの銀行では、現在確認されている犯罪者の手口や詐欺のメールの例を、銀行のホームページなどで公開しています。また、インターネット バンキング利用時に表示される正常な画面の解説も公開されています。新たな犯罪の手口は次々に出現していますが、日ごろから、よくある手口や正常な画面を確認しておくことで、万が一、被害に遭いそうになったときに、普段とは違う違和感を覚えたり、詐欺に気づきやすくなります。ぜひこまめに確認しておきましょう。
ワンポイント
万が一被害に遭ったときのために、被害を最小限にするための準備をしておくことも大切。「不幸中の幸い」となるように、あらかじめ以下のポイントを中心に確認しておきましょう。
- 大きな金額の場合は窓口での振り込みを利用し、インターネット バンキングで振り込むことのできる振込金額の上限を低く設定しておく。
- インターネット バンキングで操作が行われた場合や、振り込みが行われたら、すぐに確認できるメールへ通知が行われるようにしておき、不正に操作されていないか確認する。
- 万が一、被害に遭った場合に、連絡をする銀行の相談窓口の電話番号をあらかじめ確認しておく。
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