手紙やパンフレット、打ち合わせの資料や事務処理用の書類など、私たちは多くの「紙」に囲まれています。これらはとても大事なものですが、実際に大事なものは紙に記された「情報」であって、紙そのものではないことがあります。
そこで、「情報」をデジタル化し、パソコンに保存すれば、たまった紙を処分して、「情報」をもっと自由に管理できるようになります。
今回は、ScanSnapを活用して、「情報」のデジタル化の方法と編集・保存方法について、ご紹介します。
公開日2011年7月6日
※ 掲載内容は公開当時のものであり、最新情報と異なる場合があります。
紙をスキャンして、デジタル保存する――ちょっとめんどうだなと感じる人もいるかもしれませんが、現在、多くの会社や個人が、書類の「情報」の整理法として取り入れています。そのメリットは、主に3つあります。
スキャンした書類を思い切って捨ててしまえば、机の周りや書類キャビネットの片付けが進みます。「いつか必要になるかもしれないから……」と何年もしまったままの書類も、スキャンしてから捨ててしまえばスッキリと片付けることができ、必要になったときにはすぐに取り出せます。
デジタル保存した書類の情報は、紙が破れたり、色があせてしまったり、といった物理的なダメージを心配する必要がなくなります。
(注)一方で、デジタル保存したファイルを誤って削除したり、パソコンのハードディスクが故障したりしてしまったら、情報を失うことになります。デジタル保存したファイルは必ずバックアップを取り、大事に保管しましょう。
パソコンのファイルは、簡単に検索できることも大きな魅力です。スキャンするときに書類に書かれた文字を認識しておき、後から検索することも可能です(ただし、すべての文字を完全に認識できるわけではなく、印刷状態が悪い文字や、手書きの文字などは認識できないこともあります)。
より確実に検索したい場合には、ファイル名などにキーワードを設定しておくこともできます。例えば数年前の町内会の会計資料を取り出したいという場合、書類であれば、どこに置いたかを思い出し、書類の束をひっくり返して探さなければなりません。しかしデジタル保存するときに「平成22年度町内会会計」のようなファイル名を付けておけば、何年か後でも「平成22年 町内会」とキーワードを入力するだけで、すぐに見つけられます。
「情報」がデジタル化されたことで、机やキャビネットの書類が片付きます。
今回はPFUのドキュメントスキャナー「ScanSnap S1500」を利用して、紙をデジタル化し、保存する方法を今回は解説します。「ドキュメントスキャナー」とは、大量の書類を効率よくスキャンできる機能を持ったスキャナーです。
多機能プリンターのスキャナーは、書類を1枚、片面ずつガラス面に置いてスキャンしますが、ドキュメントスキャナーの場合は、何枚もの書類をまとめてセットすれば、1分間に最大20枚まで、両面を同時にスキャンできます。これならば、大量の書類をスキャンすることも苦になりません。
また、書類中の文字を認識してテキストデータ化する機能(OCR:光学文字認識)も搭載しています。例えば「横浜への旅行」について書かれた書類をスキャンしたら、後で「横浜」、と検索することで、その書類のデータをすぐにみつけることが可能になります。
ScanSnap S1500で書類をスキャンするために、いくつかの文房具をそろえておくと便利です。まずは、書類を切るために必要なカッターと定規。必要な部分だけを切り抜いたり、製本された書類を分解する際に利用します。定規は金属製か、金属のガイドが付いてカッターで切ってしまわないようになっている製品がおすすめです。
また、ステープル(ホチキス)で綴じられた書類は、爪などで外そうとすると思わぬケガをしてしまうこともあります。ステープルリムーバー(針外し)を用意しておきましょう。ステープルにリムーバーが一体化された製品もあります。