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私の写真俳句™コンテスト

5月度入選作品発表

  • 入賞作品1
    埼玉県) マサオ 様
  • 入賞作品2
    福島県) ただし 様
  • 入賞作品3
    静岡県) 鈴敏 様
  • 入賞作品4
    大阪府) 良覚 様
  • 入賞作品5
    茨城県)
    ライナス 様
  • 入賞作品6
    長野県)
    新米親父 様

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選評

最終の募集月だったせいでしょうか。今回はついに、303点もの作品をお寄せいただきました。5月24日(土)以降月末まではとくに多く、練りに練った上で、満を持してお送りいただいたのでしょう、捻りもユーモアもあり、甲乙つけがたい作品の数々にはさすがに舌を巻きました。惜しくも選外でしたが埼玉県の大塚さん「風薫る浦和美園の街づくり」は、殺風景な工事中の写真でしたが、句の力で一陣の薫風が吹きおこるような新鮮さがありました。大分県の鶴望の和さん「幼少に返って遊び忘れ物」は、すべり台にジャージがかかっているだけの写真なのに、そのシンプルさゆえ、童心になって遊んでいた大人たちの姿が映像的に蘇りました。そのほか、毎月投稿してくださった方、プロ顔負けの写真を多数お寄せ下さった方、本当にありがとうございました。写真と俳句が互いに引き立て合い、響き合う見事な写真俳句作品のうち、今月は激戦のすえ、以下の6点が入賞しました。

では入選作品を見てみましょう(順不同)

二機のパラグライダーが、偶然にもニッコリ笑った眉と目のように写りました。風に乗り、大空を行くその笑みの下を、自転車が走り過ぎようとしています。「春を行く」と詠んだ通り、一面に拡がるのは菜の花。意外なシャッターチャンスと素直な一句がもたらした、写真俳句らしい作品です。

入選

帆柱を鯉に譲りし端午の日
徳島県) ただし 様

カメラを手に街を歩いていたら、このような景色に出会ったのでしょう。面白いので撮っておき、あとで俳句を添えたものと拝察します。そう、あれは5月5日、端午の節句だった。だからヨットの帆も、鯉に帆柱を譲ったのだ…と。こうして写真俳句が仕上がります。視点を変えて「譲りし」と表現した点が手柄です。

何の木でしょう。先端から若々しい芽が生えてきました。切り株や木の根、枝の端からひょいと萌え出る新芽を「ひこばえ」といって、「孫生え」という漢字をあてます。枝全体を下からあおって撮影することで、孫生えがあたかも天を突く映像になりました。まさしく、「生きる力」です。

メスの蟻がラップに乗ってブレイクダンス。それを目指して二匹のオス蟻たちが、ヒップホップで愛を告げようとしています。この句、この写真、意図して創作できるものではありません。ご本人も意外な仕上がりだったはず。そこから想像を膨らませて一句詠む自由な感覚が、写真俳句には大事なのでした。

入選

筑波山雲の服着て暖をとり
茨城県) ライナス 様

季節の変わり目には靄が立ちます。視界からの距離により春は霞、秋は霧と呼び分けていますが、つまりはどちらも「雲」。一面に立ち込める白い蒸気を「雲の服着て」と表現しました。山肌に雪はないのに、写真はどこか寒々しい感じです。「暖をとり」と、筑波山が生命と魂を持つ存在のように詠みました。

入選

精一杯咲いたつもりが枠の中
長野県) 新米親父 様

技術を要する撮影ではなく、俳句もごく普通です。なのに、単純ですが含蓄があります。自分自身あるいは身内のことと受け取ってみると、たちまちユーモア溢れる作品となります。枠は自分次第で踏み出せますよ。たしかに精一杯、きれいに咲いてますよ…と。作者と鑑賞者との対話が幾重にも可能な、ユニークな作品です。

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