危険が増大!ネット上の音楽や動画
オンラインメディアを楽しむ時はリスク対策をしっかりと
オンラインで音楽やビデオ、映画などを楽しんだりダウンロードするネットユーザーが増え続けています。サイバー犯罪者はこうした状況を悪用し、ユーザーを危険なWEBサイトへ誘導したり、Malvertising(マルバタイジング)といわれる悪質な広告や動画閲覧ツールなどを使って罠を仕掛けてきます。また、FacebookやYouTube、Twitterなどのソーシャルメディアサイトの登場により、エンターテインメントへのアクセス方法が変化するなか、こうしたサイトがマルウェアや危険なURLを配布する格好の手段になってきており、常にリスクを認識して予防対策を講じる必要があります。
「無料」「割安」など、サイバー犯罪者の罠に要注意!
ネット上で音楽やビデオ、映画などを楽しむ場合、知っておきたいリスクがあります。まず、「無料(タダ)ほど怖いものはない」というリスクです。主要な検索サイトで音楽を検索する際に「Free(無料)」という言葉を追加すると、検索結果に表示されるサイトの危険性が3倍になるという調査結果があります。「MP3」と入力した場合もリスクが高まり、「無料 MP3」と入力した検索結果ではさらにリスクが高まります。
有名人のファンサイトやファンページのコメント欄に、非常に疑わしい不正サイトのURLが数多く存在することも確認されています。こうしたコメントは、ソーシャルメディアを経由して寄せられる場合もあります。
また、Malvertisingも氾濫しており、マルウェアを配信したり、ユーザーに知られずこっそり有害サイトにリダイレクトしたりする手段に利用されています。こうした手段が多く用いられるのは、サイバー犯罪者が広告に細工をすることで、魅力的な適正広告に見せかけることができるからです。下の図は、不正なコンテンツを含むサイトを利用しようとした場合にユーザーが直面するリスクを示しています。ユーザーはポルノ画像表示、個人情報盗難、情報盗難、マルウェア配信などに遭遇する可能性があります。特に、割安な価格や「無料」という言葉は、サイバー犯罪者がユーザーを誘い込むための餌だということを覚えておく必要があります。
人気のデジタルミュージック。検索やサイト利用時にはリスクを忘れずに!
オンラインのエンターテインメントのなかでも特に人気の高いのがデジタルミュージックです。歌詞サイトやファンページ、ラジオ放送、MP3ダウンロードなどさまざまな楽しみ方がありますが、こうした多様性はユーザーをだます手段も数多くサイバー犯罪者に提供しています。
サイバー犯罪者たちは、汚染されたMP3ファイルを配信するためのサイトを作ったり、ブログやファンフォーラムに不正なリンクを貼り付けたりしてユーザーに罠を仕掛けてくるのです。
さらに、音楽業界に多大な影響をもたらしたYouTubeの人気は、サイバー犯罪者たちのユーザー攻撃に最大限利用されています。実際、YouTubeとそっくりに設計された、マルウェアを配信するウエブページは膨大な数にのぼっています。これらの不正なサイトでは、音楽ばかりでなく、大きな事件や人気スポーツ、映画などの「必見ビデオ」といったキャッチフレーズでユーザーを誘惑し、マルウェアの配信サイトまで巧みに誘導します。
ミュージック関連の検索で、リスクの高い行為をぜひ覚えておいてください。
・最新の「ランキング」に入っている人気アーティストの曲を検索するとリスクが非常に高まります。
・主要な検索エンジンで着メロに「無料」というキーワードを加えるとリスクが跳ね上がります。
・「着メロ」に「購入」というキーワードを加えるとリスクは即座に下がります。
・アーティスト検索で「スクリーンセーバー」と付け足すと、「着メロ」検索よりリスクが高まります。
・「MP3」を検索ワードに入れるとリスクが大きく高まります。
検索結果でリスクが分かるソフトウェアを活用しよう
McAfee Labs東京 主任研究員 本城信輔
マルウェアの感染に、ニュース動画、センセーショナルなコンテンツ、ポルノコンテンツの画像や動画を使うのは常套手段です。メールやSNSから、こういったコンテンツへ誘導された場合には、マルウェア感染の可能性があるので十分注意しましょう。
また、Windowsや各ソフトウェアを最新の状態に更新することや、実行ファイルなどをダウンロードしないような配慮も必要です。