無防備なフリーWi-Fiに迫るセキュリティの脅威
駅で! カフェで! 無線LANに潜むネット犯罪の危険
総務省の調査(※)によれば、現在、日本で無線LANを利用している世帯は約4割にのぼっています。最近は、無線LANの普及促進を行う業界団体「Wi-Fi Alliance」から認証を受けた機器が増えたことから、無線LAN全般をWi-Fiと呼ぶことが多くなり、街なかで利用可能の表示を見る機会が増えました。しかし、無防備なWi-Fi利用には情報漏えいなどの危険が潜んでいることも忘れてはなりません。便利で快適なWi-Fiだけに、安全に利用するためのポイントをしっかり守ることが重要です。
※ 総務省 平成23年度通信利用動向調査(世帯編)
街なかの至る所に存在する危険なWi-Fiスポット
Wi-Fiはもともと安全性よりも、利便性のほうが重視されて誕生したため、セキュリティ対策が講じられていないワイヤレスネットワークが、駅や飲食店をはじめ街の至る所に存在します。
自宅や会社など、利用者が限られているWi-Fiに対し、不特定多数が利用できるフリーWi-Fiには特に注意が必要です。もし、セキュリティのぜい弱なフリーWi-Fiを利用して仕事の大事な情報や個人情報を含むメールを送った場合、悪意を持って攻撃ツールを使用されれば、簡単にその情報が盗み見されてしまう危険性があります。
当然、そうした安全性の低いフリーWi-Fiを使ってのインターネットバンキングなどは、決して行うべきではありません。また、自宅のWi-Fiでも安全対策が弱かったり推測されやすいパスワードにしていたりすると、他人に無断で使われ、犯罪の「踏み台」にされて悪質な書き込みなどが行われ、自分が犯人として疑われる可能性すらあります。
Wi-Fi利用はしっかりとしたセキュリティ対策で!
Wi-Fiの安全性の目安はネットワークに表示される暗号化の種類で確認できます。安全対策のないWi-Fiを利用しないのは当然ですが、「WEP」と表示される暗号化も安全性が低下しており、現在は「WPA」か、さらに解読されにくい「WPA2」がより安全です。
ただし、どんな安全性の高い暗号化技術でも解読が不可能ということはありません。Wi-Fi利用の原則として、フリーのWi-Fiスポットでは、重要な個人情報を含むやり取りや、ID・パスワードを使ってログインするネット利用は行わないようにしましょう。自宅のWi-Fiでも、より安全性の高い暗号化を使用し、パスワードも推測されにくい複雑なものにしてください。
Wi-Fiは便利で快適な技術です。その良さを生かし悪用されないためにも、メールの送受信は携帯電話会社のモバイルブロードバンドを利用したり、フリーWi-Fiの利用はWEB閲覧程度にとどめるなど、日ごろから安全意識を習慣づけることが大切です。
CMSB事業本部 コンシューママーケティング部長 青木大知
外出先の見知らぬWi-Fiの利用は、他人の家でインターネット接続をさせてもらうのと状況は変わりません。残念ながら世の中には親切な人ばかりではありません。甘い誘惑にこそ疑いの目をもって対応する必要があります。セキュリティの鉄則として知らないものに触れない、触れる必要があっても利用を最低限に抑えることで自分自身を見知らぬ危険から守りましょう。