パソコンで「やってはいけない」7つのこと(1/2)
「パソコンは難しい…」というのは一昔前の話。いまや、パソコンは起動するとすぐに使える身近な道具の1つになりました。しかし、手軽になったとはいえ、ハードウェアとソフトウェアが緊密に連携して動く精密機器であることに変わりはありません。
ここでは、快適なパソコンライフを楽しむために最低限知っておきたい「やってはいけない」操作を7つ、紹介します。
こうした「ご法度」操作を知らずに行うと、最悪パソコンが起動しなくなり、修理や購入したときの状態に戻す「リカバリ」が必要になる場合もあります。無用なトラブルを避けるためにも、ぜひ知っておいてください。
公開日2011年6月29日
掲載内容は公開当時のものであり、最新情報と異なる場合があります。
ハードウェア&ソフトウェア編
パソコンの扱い方の基本は、通常の電化製品と同じです。たとえば、過度な衝撃を与えたり、水などをかけて濡らしたりしてはいけない、などです。ここではそれらの一般的な注意点以外に、パソコンのハードウェアやソフトウェアに損傷を与えかねない操作について解説します。
その1:いきなり電源を切ったり、コンセントからプラグを抜いたりしない
家電製品の場合、通常は電源ボタンを押してオフにしたり、コンセントからプラグを抜くことで電源を落としますが、パソコンの場合、この操作はご法度です。こうした間違った方法でパソコンの電源を切ると、システムファイルが壊れたり、ハードディスクが損傷する場合があるので注意が必要です。
パソコンの電源を切る場合は、必ずWindowsの「スタート」ボタンから「シャットダウン」をクリックしてください。
また、なんらかの理由でパソコンが動かなくなってしまった場合も、いきなりコンセントからプラグを抜いてはいけません。この場合は、リセットボタンを押すか、リセットボタンが効かない場合は電源ボタンを4秒以上長押しして、強制終了します。リセットボタンが装備されていないパソコンの場合は、[Alt]キーと[Ctrl]キー、[Delete]キーの3つを同時に押すと再起動することができます。
パソコンの動作が停止したり、操作できなくなったりしたときは、次のQ&Aをご覧ください。
Windowsの「スタート」ボタンから「シャットダウン」をクリックすると、起動中のアプリケーションとWindowsが終了し、パソコンの電源が切れます。
その2:セキュリティソフトは複数インストールしない
パソコンは、インターネットに接続して使うのが当たり前になりました。インターネットに接続している環境は、常にウイルスや不正アクセスなどの脅威にさらされています。こうした外部の脅威からパソコン内の情報を守るため、ウイルス対策ソフトに代表されるセキュリティソフトの導入は必須です。ただし、ここで注意したいのは「セキュリティソフトは複数インストールしてはいけない」ということです。
セキュリティソフトは、ワードなどの通常のアプリケーションと異なり、起動と同時に最優先でパソコンの動作を監視する役割を担っています。こうした特徴から、同じ機能を持つセキュリティソフトを2つ以上インストールすると機能の競合が起き、パソコンが動かなくなる、動作がひどく遅くなるなどのトラブルが発生することが多いのです。
セキュリティソフトでも、ウイルス対策ソフトとスパイウェア対策ソフトといったように、別機能のセキュリティソフトであれば競合が起きないのでこの限りではありませんが、最近では、セキュリティ全般に対応した総合セキュリティソフトも多いので、やはり複数のセキュリティソフトのインストールは避けたほうがいいでしょう。
複数のセキュリティソフトをインストールした例。セキュリティソフトによっては、競合するソフトウェアがあると警告や削除する旨のメッセージが表示されるものもあります。なお、すべてのセキュリティソフトが競合ソフトのチェックをしてくれるわけではないので、インストール自体はできてしまい、後から不具合が出る場合もあります。
また、セキュリティソフトを別のものに乗り換える際にも注意が必要です。例えば、AというソフトからBというソフトに変えたいときは、必ず先にAをアンインストールし、それからBをインストールします。このとき、Aのアンインストールが中途半端な状態で終わっていると、新たにBをインストールしたときに途中で動かなくなったり、インストール後にパソコンやアプリケーションの起動が遅くなるといったトラブルに陥ることがあります。通常、アプリケーションの削除は「コントロールパネル」の「プログラムのアンインストールまたは変更」で行いますが、セキュリティソフトに関しては、あらかじめアンインストールの方法をメーカーのWebサイトなどで確認しておくことをお奨めします。メーカーの指示する方法に従って操作することがトラブル回避の最良のポイントです。
セキュリティソフトをアンインストールするときは、事前にメーカーのサポートページで確認してください。
ウィルスバスター2011 クラウドの場合は、「スタート」ボタン→「すべてのプログラム」→「ウイルスバスター2011 クラウド」→「ウイルスバスター2011クラウド を削除(アンインストール)」でアンインストールします。
セキュリティソフトによっては、専用のアンインストールツールが用意されているものもあります。シマンテックの「Norton 360」では、アンインストール用ツール「Norton削除ツール(Norton Removal Tool)」を提供しています。このツールは、インストールに失敗したり、通常のアンインストールの方法ではうまくいかなかった場合などに、強制的にアンインストールできます。
同機能のアプリケーションの複数インストールも注意しよう
パソコンで使えるアプリケーションは、市販のものからフリーソフトまで多種多様です。欲しいと思っている機能を持つアプリケーションが複数あった場合、いくつかダウンロードして使ってみることもあるでしょう。特に文書編集ソフトや画像表示ソフト、画像編集ソフトなど、同じような機能であっても用途によって使い分けているという場合もあるかもしれません。
基本的に同じ機能を持つ異なるアプリケーションを複数インストールしても、パソコンに不具合が出るわけではありませんが、インストールしてみたものの好みでなかったという場合には、そのつど削除したほうがいいでしょう。ハードディスクの空き容量が豊富だからといってこうしたアプリケーションを放置しておくと、Windowsの起動や動作が遅くなる原因になります。
その3:むやみにハードディスクのファイルを削除しない
パソコンのハードディスクの中には、Windows 7などのOSやインストールされているソフトウェアが動作するために必要なデータと、ワード文書やデジタルカメラの画像ファイルなどの利用者自身が作成したり取り込んだりしたデータの両方が保存されています。
自身が作成したデータについては削除してしまってもパソコンが動作しなくなるなどの重要な問題は起きませんが、OSが使用するファイルを削除してしまうと、パソコンが起動しなくなったり、不安定になったりするなどの問題が起きる可能性があります。
ファイルの削除は慎重に行いましょう。
とくに「C:\WINDOWS」フォルダー配下のファイルを手動で削除すると、パソコンの動作に深刻な影響を与えますので、削除しないでください。
誤ったファイルの削除によるトラブルを回避するには、削除をする前にファイルの種類を確認しておくといいでしょう。下記のようなファイルは、削除をしてもパソコン自体の動作に影響はありません。
また、自身で作成したファイルの保存先を個人用フォルダーに限定しておけば、OSが使用するシステムファイルが保存されているフォルダーを操作することもありませんので、うっかりミスを防ぐことができます。
基本的に、「自分で作成したり保存したファイル以外は削除しない」と決めておけば、ファイルの削除によるトラブルはある程度防げます。
「データは必ず個人用フォルダーに保存する」というルールを決めておくと、誤ってシステムフォルダーを開いたりファイルを削除することもありません。