撮っただけじゃ、もったいない!デジカメ写真活用法(1/2)
ここ数年、安価で高機能なデジタルカメラを手軽に利用できるようになりました。しかし、撮影した写真データはカメラのSDカードやパソコンのハードディスクに保存したまま…という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、撮影した後が楽しくなる、写真データの活用法をご紹介します。
公開日2012年1月18日
掲載内容は公開当時のものであり、最新情報と異なる場合があります。
Windows Live フォトギャラリーを含むWindows Essentials は2017年1月にマイクロソフト社での提供が終了しました。
写真データはどんなことに使える?
フイルムカメラの写真の場合、撮影した後は現像してアルバムにする、という使い方が一般的です。これがデジタルカメラになると、写真はデジタルデータとして保存されるので、さまざまな加工が可能になります。
ここでは、デジタルカメラの写真データでできることを簡単にまとめておきましょう。
デジカメ写真の利用法は、大きく分けるとデータのまま活用する方法と印刷して活用する方法の2つがあります。おもな方法を表にまとめましたが、これ以外にも写真編集ソフトで加工してオリジナルの作品を作ったり、ひたすら撮影して日記代わりにしたり、といった使い方もできるでしょう。
データのまま活用 | 印刷して活用 |
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データのまま活用する方法
デジカメ写真をパソコンの壁紙やスクリーンセーバーにするのは、デジカメ写真があれば、後はWindowsの基本機能で実現できるので、最も一般的な活用法といえるでしょう。それぞれの操作方法については、次の記事を参照してください。
また、最近、情報交換の場としてフェイスブックやツイッターなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が話題ですが、これらのサービスは文章だけではなく、写真も投稿できるようになっています。
例えば、文章の情報に関連する写真を添えて投稿すると、文章だけよりも感想が多く寄せられる傾向もあり、さらに話題が広がったり関連のある情報が入手できたりします。
フェイスブックやツイッターに関しては、次の記事を参照してください。
デジタルフォトフレームとは
ここ数年、デジカメ写真の活用法として人気が高まっているのが、デジタルフォトフレームです。デジタルフォトフレームとは、その名のとおり、デジカメ写真を表示する写真立てです。パソコンからデジカメ写真をUSBメモリやSDカードにコピーし、それをデジタルフォトフレームに装着すると、メモリに保存したデジカメ写真をスライドショーのように再生してくれるという製品です。
場所もとらず、わざわざパソコンを起動しなくてもお気に入りの写真を楽しむことができるので、さまざまな年代の人に利用されています。
印刷して活用する
写真といえば、やはり印刷でしょう。フイルムカメラが全盛の頃は、プリントサービスの店舗にフイルムを持っていき、現像してもらうのが一般的でしたが、デジタルカメラが中心の昨今、高機能で安価な家庭向けプリンタも数多く販売されており、撮影した写真を使って年賀状などを自宅で印刷することも当たり前のことになってきました。
写真専用の用紙だけでなく、写真を印刷できるシールも市販されており、手帳や日記に張って楽しむこともできます。
また、別途費用がかかりますが、Tシャツ、マグカップや皿などの食器類に写真を印刷してくれたり、結婚式や出産、入学式などの思い出をフォトブック(アルバム)にまとめてくれるサービスなどもあります。
なお、デジカメ写真をきれいに印刷するには、ちょっとしたコツが必要です。次項では、デジカメ写真を印刷するために知っておきたい基礎知識を紹介しましょう。
写真データを美しく印刷するための基礎知識
せっかくデジカメ写真を印刷するのならば、できるだけ美しく印刷したいものです。ここでは、自宅のプリンタで印刷する際のちょっとしたポイントを紹介しましょう。
画像サイズを確認しよう
デジカメ写真で印刷を行う場合に確認しておきたいのが、画像サイズです。印刷したい用紙のサイズによって、適した画像サイズが異なるからです。たとえば、小さいサイズの画像を適正サイズ以上の大きな用紙に印刷すると、画像はガタガタに粗くなってしまいます。
デジカメ写真の画像サイズは、ピクセル(pixel)という単位で表します。ピクセルは、デジタル画像を表現する場合の単位で、たとえば、パソコンのディスプレイの解像度を1280×720などという場合も、単位はピクセルになります。ピクセルは日本語では画素といい、デジタルカメラのスペックで「800万画素」という場合は、最大で800万画素(3250×2450ピクセル)の画像を撮影できるという意味になります。
ピクセル数(画素数)が多いほど、大きなサイズの写真が撮影できる、つまり大きいサイズでもきれいに印刷できる、というわけです。一般的には、同じ用紙サイズに印刷する場合、画像サイズが大きいほうが美しく印刷できるといわれています。
画像サイズを確認するには、目的のデジカメ写真のプロパティ画面を開きます。
目的の写真を右クリックして表示されるメニューから「プロパティ」を選択します。
プロパティ画面が表示されるので、「詳細」タブをクリックします。「イメージ」欄で画像サイズ(写真の大きさ)が確認できます。この写真の場合は、5184×3456ピクセル(約1800万画素)です。
一般的に、家庭で利用されるインクジェットプリンタの場合、印刷サイズに適した画像サイズは、おおむね次の表のようになります。表を見ればおわかりのように、最近のデジタルカメラの画素数の多さを考えると、L判やはがきサイズへの印刷であれば、さほど画像サイズを気にする必要はないでしょう。
画素数 | 画像サイズ(ピクセル) | 用途・写真用紙サイズ |
---|---|---|
約30万画素 | 640×480 | Webサイトでの利用やメールでの添付 |
約48万画素 | 800×600 | |
約80万画素 | 1024×768 | L判(写真用紙の標準サイズ) |
約130万画素 | 1280×1024 | 2L判(L判の2倍サイズ) |
約200万画素 | 1600×1200 | |
約300万画素 | 2048×1536 | B5サイズ |
約400万画素 | 2240×1680 | A4サイズ |
約500万画素 | 2560×1920 | |
約600万画素 | 2816×2120 | |
約700万画素 | 3072×2304 | A3サイズ |
約800万画素 | 3250×2450 |
デジカメ写真は整理も大事!
撮りためたデジカメ写真をいざ、使おうと思ったとき、目的の写真をどこに保存したのかがわからなくなったことはありませんか。撮影した場所や日時などで分けておくだけでも探しやすくなります。また、写真データは容量が大きい場合は、ピンボケだったり、構図がよくない写真はその場で削除しておくと、ハードディスクを有効活用できます。
デジカメ写真の管理については、次の記事を参照してください。
きれいに印刷するための印刷設定
デジカメ写真を美しく印刷するためには、正しく印刷設定を行うことも重要です。今回は、キヤノンのPIXUS MG6230を例に解説しましょう。印刷は、Windows Live フォトギャラリーを使用します。
通常、案内状やレポートなどの印刷でも用紙サイズは必ず設定する必要がありますが、デジカメ写真の場合は、用紙サイズに加えて、用紙の種類の設定を忘れないようにしましょう。写真用紙には、光沢やマット、普通紙などさまざまな種類があります。印刷する用紙に適した印刷をするかどうかで、印刷結果にも違いが出てくるので、写真用紙に合わせて設定しましょう。
また、品質という項目についても「きれい」などに設定することで、高品質で印刷することができます。
Windows Live フォトギャラリーの印刷設定画面。「用紙サイズ」をはじめ、「品質」、「用紙の種類」を正しく設定して、印刷しましょう
フチが白く出ないように印刷する
用紙の縁に白い枠がでないように印刷したい場合は、フチなし印刷の設定を行います。フチなし印刷は、プリンタやアプリケーションが対応していない場合は、行えないので注意しましょう。
Windows Live フォトギャラリーの場合は、先の印刷設定の画面で、画面下の「写真をフレームに合わせる」にチェックを入れます。これで印刷してもフチなしにならない場合は、印刷設定画面の「オプション」をクリックし、別途、設定を追加します。
今回使用したキヤノンのMG6230の場合は、「プリンターのプロパティ」画面で「フチなし全面印刷」にチェックを入れます。
Windows Live フォトギャラリーの印刷設定画面。「写真をフレームに合わせる」にチェックを入れます。
キヤノンのMG6230の場合は、さらに「オプション」をクリックし、「印刷の設定」ダイアログボックスで「プリンターのプロパティ」をクリックします。
「プリンターのプロパティ」画面で「フチなし全面印刷」にチェックを入れます。これでフチなし印刷が行えます。完了したら[OK]をクリックして前の画面に戻ります。
高級写真用紙と普通の写真用紙の違いは?
写真用用紙は、各メーカーがさまざまな種類や大きさのものを販売しています。光沢はおなじみですが、中にはプロ仕様の高級写真用紙というものもあります。これは、通常の写真用用紙とどこがちがうのでしょうか。
一般的に、インクジェットプリンタで使用される写真用用紙は大きく印画紙タイプと上質紙タイプの2種類に分けられます。印画紙は、フイルムカメラでもおなじみの写真専用の用紙で、フイルムを焼きつけるための感光乳剤を塗った紙です。一方の上質紙は、一般的な印刷物に利用される紙で、顔料などをコート剤として塗工したものはコート紙と呼ばれます。
印画紙は、上質紙に比べて、発色や耐水性、保存性などが優れているので、市販の写真用用紙の中で高級写真用用紙と呼ばれるものは、おおむね印画紙が利用されています。
実際、同じ写真を印刷して比べてみると、確かに色の深みなどは印画紙のほうが優れています。しかし、一般の光沢紙であっても、印画紙と並べて比べてみなければその差はわからないくらいです。あとは好みと用途によって、使い分ければいいでしょう。
上質紙タイプ(左)と印画紙タイプ(右)の例(ともにL判サイズ)
(注)この例は印刷した写真をスキャナで取り込んだものなので、実際の印刷物とは多少異なります。