高速・大容量から無線LAN搭載まで!SDカード最新事情(1/2)

SDカード

デジタルカメラのメモリーカードとしておなじみのSDカードですが、以前に比べて、サイズや規格の多様化と、多機能化が進んでいます。パソコンとデジタルカメラ、スマートフォンなどの周辺機器に使われることの多いSDカードをもっと使いこなすために役立つ、SDカードの最新情報を解説します。

公開日2012年9月5日

掲載内容は公開当時のものであり、最新情報と異なる場合があります。

身近なところで活躍するSDカードファミリー

パソコン、デジタルカメラ、スマートフォンなどで幅広く活躍

SDカードは、デジタルカメラ・デジタルビデオカメラなどの各種AV機器のメモリーカードとして幅広く使われています。また、携帯電話やスマートフォンのメモリーカードとしても「microSDカード」というサイズの小さなSDカードが一般的です。私たちのまわりの、あちこちで「SDカード」が活躍しているのです。

また、USBフラッシュメモリの代わりに、パソコンどうしのファイルの受け渡しやバックアップ用として使われることもあります。最近の多くのパソコンにはSDカードスロットが標準で搭載されているため、受け渡しのときにカードが挿入できずに困ることがほとんどありません。また、SDカードスロットに挿入するとほとんど飛び出す部分がないので、扱いやすいことも利点です。

数多くのメモリーカードの中から定番に

SDカードが初めて登場したのは、1999年です。1990年代後半から2000年代前半にかけて、デジタルカメラやデジタルビデオカメラが爆発的に普及し、それらの製品用に、各メーカーから「スマートメディア」「xDピクチャーカード」など、さまざまな種類のメモリーカードが作られました。当時、どれくらい多くの種類のメモリーカードがあったかのなごりは、今でも家電量販店で売られている「マルチカードリーダー」に見ることができます。

マルチカードリーダー

マルチカードリーダーとは、さまざまな種類のメモリーカード(多い製品では50種類以上)を挿入でき、USBでパソコンに接続してファイルを転送するための周辺機器です。メモリーカードの種類が多すぎて、パソコンにそれらすべてのカードスロットを搭載することは不可能だったので、デジタルカメラユーザーは、こうしたマルチカードリーダーを利用することが多かったのです。また、自分のカードを利用できるカードリーダーを相手が持っているとは限らなかったので、メモリーカードが受け渡しに使われる機会は多くありませんでした。

今では、SDカードがメモリーカードの定番となったため、パソコンでもSDカードスロットを搭載した製品が多くなり、便利に使えるようになりました。現在は同じSDカードファミリーの中で、大容量、高速な製品への進化しています。

SDカードの重要キーワード

SDカードを買うときや使うときに知っておきたい4つのポイント

一口に「SDカード」といっても、実際には多くの種類の製品があります。適切なSDカードを購入し、活用するために、次の4つのポイントについて知っておきましょう。

その1:SDカード、microSDカード

SDカードの小型版がmicroSDカードです。また、最近ではほとんど使われませんが、SDカードとmicroSDカードの中間にあたる「miniSDカード」もあります。microSDカードやminiSDカードを購入したときには、たいていの場合、SDカードスロットに挿入するためのアダプターが付属します。

SDカードとmicroSDの写真

現在はSDカードとmicroSDが使われることが多くなっています。

その2:読み書きの高速化と大容量に対応した「SDHC」「SDXC」

SDカードを、より高速・大容量に対応できるようにしたものが「SDHC」、「SDHC」からさらに高速・大容量化を進めた最新のものが「SDXC」です(2012年8月現在)。ふだん、これらの違いを意識する機会は多くありませんが、古い製品(デジタルカメラやパソコンなど)では、SDHC、SDXCのような新しい規格に対応していない場合もあるため、注意が必要です。microSDHC、microSDXCカードもあります。

規格 登場年 最大容量
SD 1999年 2GB
SDHC 2006年 32GB
SDXC 2009年 2TB

注:表中の最大容量を超える製品も発売されていますが、規格が保証する最大容量は上記のように決まっています

規格が「SDHC」と「SDXC」のSDカードの写真

SDカードに「SDHC」や「SDXC」と書かれているので、見分けることができます。

その3:スピードクラス

SDカードのデータ転送速度についても、さまざまな規格が決められています。高画質で録画するデジタルビデオカメラなどでは、大量の情報を短時間で記録する必要があるため、書き込みに高速なカードが求められます。

SDカードの転送速度は、主にカードに書かれている「スピードクラス」で見分けることができます。現在(2012年8月時点)のスピードクラスは「CLASS 2、4、6、10」の4種類があります。古いカードでは、スピードクラスが表示されないものもあります。

例えば「CLASS 6以上のSD/SDHCカードに対応」とされるデジタルビデオカメラの場合は、CLASS6または10のSDカードまたはSDHCカードが利用できます。

スピードクラスが10のSDカードの写真

スピードクラスはカードに記載されています。パッケージにも記載されているので、購入時にチェックしてみましょう。

その4:無線LAN搭載

最近では、無線LANを搭載したSDカード「FlashAir™」も登場しています。無線LANを利用することで、例えばデジタルカメラで撮影した写真を、手動で転送しなくても自動的にパソコンやスマートフォンに転送することが可能になり、大変便利に使うことができます。(「FlashAir™」についての詳細はこちら

FMVにインストールされている「F-LINK」の「SD連携」を利用することで、FlashAir™からFMVへ、無線LANを利用した写真や動画の自動取り込みが可能になります。次のページでは、SD連携の詳しい方法を解説します。

FlashAir™の写真

SDカードに無線LANを搭載した「FlashAir™」。

さらにSDカードを高速にする「UHS」

スピードクラスとは異なる、データ転送速度が高いSDカードを表す指標として「UHS(ウルトラハイスピードの略)」というものが登場しています。UHSは、SDカードとカードスロットの両方に新しい高速化技術を採用して、CLASS 10を超える高速化を実現するものです。UHSのスピードは「UHSスピードクラス」という指標で表され、現在(2012年8月時点)UHS-1対応のカードが登場しています。

UHS-1はCLASS 10よりも高速ですが、カードとカードスロットの両方がUHSに対応していないと、その速度は発揮できません。UHS-1のSDカードにはスピードクラス(たいてい「CLASS 10」)も表示されていて、UHS非対応のカードスロットでは、スピードクラスに対応した速度となります。

ページの先頭へ