パソコンでも使おう!SDメモリーカードを解説します(1/2)

今や当たり前に使われている「SDメモリーカード」。デジタルカメラに挿して画像をたくさん記録したり、パソコンに挿してデータを移動させたりと、たくさん活用ができます。現在は「microSD(マイクロ・エス・ディー)メモリーカード」という、スマートフォンなどに使われる小さいものも主流です。今回はmicroSDメモリーカードを中心に、特長や活用法をご紹介します。

公開日2014年10月15日

掲載内容は公開当時のものであり、最新情報と異なる場合があります。

micro SDメモリーカードとは?

「micro SDメモリーカード」とは、スマートフォンやデジタルカメラのデータを保存する記憶装置(メディア)の1つです。メディアの中でも、現在もっとも一般的に使われているのが「SD規格」です。

標準サイズのSDメモリーカードは切手サイズの記憶装置です。デジタルカメラの多くがこの規格を採用しているほか、ノートパソコンの多くがSDメモリーカードのデータを読み書きするためのリーダー/ライター機能を標準的に備えています。

SD規格のカードには、SDメモリーカードの半分ほどの面積の「miniSD(ミニ・エス・ディー)メモリーカード」、SDカードの1/4ほどで、指先サイズの「microSDメモリーカード」があります。コンパクトなスマートフォンには、記憶装置としてmicroSDメモリーカードが使えるモデルがあります。「miniSD(ミニ・エス・ディー)メモリーカード」は最近では採用する機器が少なくなったため、家電量販店などでも見かけることが少なくなりました。

左から、SD、miniSD、microSDメモリーカード。

3つのサイズがありますが、アダプターを付けることで、互換性を持たせられます。例えば、microSDメモリーカードにSDメモリーカードのアダプターを付ければ、ノートパソコンに付属のSDカードリーダー/ライターで、データを読み書きすることも可能になります。

コンパクトなmicroSDメモリーカードも、アダプターを付ければ、miniSDメモリーカードやSDカードのリーダー/ライターで利用できます。

記憶容量を選択できる

micro SDメモリーカードにも、8GB(ギガバイト)、16GB、32GBなど、記憶容量のサイズがあり、用途によって選べます。サイズが大きいほど、写真や音楽などのデータをたくさん保存できますが、価格も高くなります。

また、SD規格には、サイズやフォーマットが違う、「SDHC」「SDXC」という規格があります。それぞれ、記憶容量の上限に、次のような違いがあります。

規格 最大容量
SD 2GB
SDHC 32GB
SDXC 2TB(=2048GB)

現在店頭では、サイズと価格がともに手ごろなSDHC規格のメモリーカードをよく見かけます。利用できる規格や対応できる容量は、スマートフォンやデジタルカメラの機器によって違うので、製品マニュアルなどで確認しておきましょう。SDカードはSD、SDHC、SDXCをサポートしているすべての機器で動作します。反対に、例えば古いノートパソコンなど、SDにしか対応していない場合は、SDHC、SDXC規格のカードは動作が保証されていません。

容量はもちろん、転送速度も大事

microSDメモリーカードを選ぶときには、容量はもちろん、転送速度の確認も必要です。

転送速度が速ければ、データの読み書きが高速に行えます。転送だけでなく、撮影データの保存も高速になるので、デジタルカメラやスマートフォンの連写機能でも「記録中……」ともたつくことが少なくなります(これはSDカードが速ければ良いというものではなく、お使いのカメラの処理能力やSDカード対応速度にも左右されます)。

SDHC規格のカードを見ると、「Class 4」や「Class 6」などの記述があります。これは、「スピードクラス」を表していて、次の表のように最低保証の速度が決められています。

スピードクラス 最低保証の速度
Class 2 2MB/秒
Class 4 4MB/秒
Class 6 6MB/秒
Class 10 10MB/秒

高画質モードで撮った写真や動画などは、容量が大きいので、それだけ転送に時間もかかります。やはり転送速度は速いものがおすすめです。ただし、各スピードクラスの速度を実現するには、スマートフォンやデジタルカメラの機器側の対応も必要になります。

画像のマークは、「Class 10」に対応していることを示しています。

UHSスピードクラス

SDメモリーカードの転送速度を表す指標には、上で紹介した「スピードクラス」以外に「UHS(ウルトラ・ハイ・スピード)スピードクラス」があります。これは、より速い転送速度を実現するための規格「UHS」に、メモリーカードと機器が対応している場合の最低速度を保証するものです。

UHSスピードクラス1は10MB/秒、UHSスピードクラス3は30MB/秒の最低速度を保証しています。なお、どちらかがUHS規格に対応していない場合でも、使用に問題はありません。その場合は、併記されている通常の「スピードクラス」の最低保証速度となります。

UHSスピードクラスに対応しているSDメモリーカードには、このマークが記されています。画像のマークは「UHSスピードクラス1」を表しています。この場合、UHS規格に対応していない機器との接続では、先述の「Class 10」の最低保証速度ということになります。

Wi-Fi対応のSDメモリーカードがある

SDメモリーカードには、Wi-Fi(無線LAN)接続の機能をもつカードがあります。デジタルカメラで撮影した写真をすぐに、周囲のパソコンやスマートフォンと共有することができます。撮影した写真をパソコンの画面ですぐに確認したり、旅行先で友だちと写真を共有したり、TwitterやFacebookなどのSNSに投稿したりするのも簡単です。

Wi-Fi機能を持つSDメモリーカードをデジタルカメラに挿すと、無線接続の親機(アクセスポイント)となります。パソコンやスマートフォンからSDメモリーカードに無線接続できるので、すぐに画像を共有できるのです。

写真は、「PQI Air Card Wi-Fi内蔵SDカードアダプタ6W21-0000R1」(PQI JAPAN)。Wi-Fi対応のSDメモリーカードは高価ですが、アダプタータイプなら、microSDメモリーカードを入れ替えて使えます。便利ですが、対応のmicroSDメモリーカードを使用するなど、動作環境をしっかり確認してください。

次のページでは、スマートフォンで撮影した写真を直接microSDメモリーカードに保存する設定方法や、実際にパソコンの画面で表示する方法を紹介します。

ページの先頭へ