Windowsのサポート終了講座
脆弱性とは、セキュリティ上の欠陥のことをいいます。脆弱性を悪用したウイルスが登場すると、パソコンがウイルスに感染しやすくなります。
Windowsのサポート期間中は脆弱性が見つかると、マイクロソフト社が、それを修正するための「更新プログラム」を利用者に提供します。Windowsのサポート期間を過ぎると脆弱性が見つかっても修正されません。
セキュリティソフトには、脆弱性(セキュリティ上の欠陥)を修正する機能はないため、ウイルスの攻撃を防ぐことはできません。
セキュリティソフトの機能で一部は防げるかもしれませんが、脆弱性が放置されている限りウイルスの攻撃を受け続けることになります。
Windowsのサポート終了後は、Windows上で動作するソフトウェアもあわせてサポートを終了していきます。セキュリティソフトも例外ではありません。気づかないうちに、セキュリティソフトのサポートが終了して、パソコンが危険にさらされていたということにならないように、サポートが終了したWindowsを使い続けるのはやめましょう。
セキュリティソフトだけでなく、インターネット上のサービスもセキュリティの観点からサポートを終了していきます。国税庁が提供しているサービスや銀行や証券会社などのインターネットサービスをご利用されているお客様は、Windowsのサポートが終了する前にパソコンを乗り換えましょう。
ウイルスが利用者にどのような悪影響をおよぼすのでしょうか。感染すると影響が大きいと思われるものの中からいくつかご紹介します。
ウイルスの中には、感染するとパソコン内のメールやアドレス帳、保存したファイルなどを外部に流出させるものがあります。例えば、保存したファイルに仕事関係の書類が含まれていると、ご自身のみならず関係者にまで被害がおよびます。ご自身と係わり合いのある人たちまで被害を受けるという点で、悪質なウイルスだと考えられます。
ネットバンキングを狙ったウイルスは、パソコンの入力情報を読み取って、銀行口座から勝手にお金を引き出します。送金手続きを検知すると、送金先を勝手に変えて別の口座に送金を行うものも登場しています。最近、国内でウイルスによる不正送金被害が急増しています。感染すると、金銭的な被害を被るという点で、悪質なウイルスと考えられます。
パソコンを乗っ取り、ファイルを人質に金銭の支払い(身代金)を要求するウイルスがあります。感染するとパソコンの操作ができなくなったり、パソコンに保存されたファイルなどが開けなくなったりします。パソコンの使用ができなくなるだけでなく、たとえ金銭を支払っても復旧するとは限らないという点で、悪質なウイルスと考えられます。
他人のパソコンにウイルスを感染させて、遠隔操作で自治体や掲示板サイトへの殺人予告や破壊予告などの投稿を行うといった事件が過去にありました。この種のウイルスに感染すると、犯罪者の濡れ衣を着せられてしまう場合があります。ウイルスが仕込まれたメールを配信するのに利用されたり、業務を妨害するのに利用されたりします。利用者が知らないうちに犯罪に巻き込まれるという点で、非常に悪質なウイルスと考えられます。