エクセルの「ここが困った!」解決法(1/3)

エクセルは、表やグラフ、報告書などのレポートなどを簡単に作成できる優れた表計算ソフトですが、例えば、入力した数字が勝手に四捨五入されたり、先頭の0が消えてしまったりなど、ちょっとした操作で思い通りの結果が得られず、困ることがあります。

今回は、エクセルで困りがちなポイントについて、入力とグラフ、印刷に分けて解決方法を紹介します。

公開日2011年10月26日

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データ入力の困った

エクセルでは、セル単位で文字列や数値を入力していきます。データ入力の基本をマスターすることで、エクセルの使い勝手は格段にアップします。ここでは、データ入力でよくある「困った」を4つ、解決しましょう。

[Enter]キーを押すとアクティブセルが下に移動してしまう

エクセルでは、セルに入力したデータを確定して再度[Enter]キーを押すと、アクティブセルが下のセルに移動するようになっています。下に向かってデータを入力する場合は便利ですが、左から右に向かって横に入力していきたい場合、いちいちアクティブセルを移動し直さなければなりません。こういう場合は、設定を変更して次に入力したいセルの位置を指定すると、効率的にデータ入力が行えます。

「ファイル」タブの「オプション」をクリックしている画面イメージ

アクティブセルの移動先を指定するには、「ファイル」タブの「オプション」をクリックして「Excelのオプション」画面を表示します。

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「詳細設定」を選択し、「編集設定」の「Enterキーを押した後にセルを移動する」の「方向」で移動したい方向を指定している画面イメージ

「詳細設定」を選択し、「編集設定」の「Enterキーを押した後にセルを移動する」の「方向」で移動したい方向を指定します。設定が済んだら「OK」ボタンをクリックして「Excelのオプション」画面を閉じます。

設定を変えずにアクティブセルの方向を変更するには

上記のように設定を変更すると、別の方向にアクティブセルを移動したい場合、再度設定を変更する必要があります。設定を変更せずに、入力時にアクティブセルの方向を変更したい場合、文字列を確定したした後、[Enter]キーではなく[Tab]キーを押すと、アクティブセルを右側に移動できます。左側に移動したい場合は[Shift]キーを押しながら[Tab]キーを、上に移動したい場合は[Shift]キーを押しながら[Enter]キーを押します。

[Shift]+[Tab]:左方向、[Shift]+[Enter]:上方向、[Tab]:右方向、[Enter]:下方向に移動する画面イメージ

小数点以下の表示が勝手に四捨五入されてしまう

セルの表示形式が初期状態の「標準」に設定されている場合、セルに小数点付き数値を入力すると、セル幅に収まらない小数点以下の桁数は自動的に四捨五入されて表示されます。セル幅を広げれば入力した小数点以下の数値を小数点第9位まで表示できますが、用途によっては実用的な方法とは言えません。こういう場合は、表示形式を「標準」以外の「数値」などに変更しましょう。必要であれば表示したい小数点以下の桁数を指定することもできます。

「ホーム」タブをクリックし、数値の「ダイアログ起動」ボタンをクリックしている画面イメージ

「ホーム」タブをクリックし、数値の「ダイアログ起動」ボタンをクリックします。

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「表示形式」タブをクリックし、「分類」で「数値」を選択。「OK」ボタンをクリックしている画面イメージ

「セルの書式設定」ダイアログボックスが表示されるので、「表示形式」タブをクリックし、「分類」で「数値」を選択します。小数点以下の桁数の指定も可能です。設定が済んだら「OK」ボタンをクリックします。

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指定した桁数以下の数値が四捨五入されている画面イメージ

小数点以下の桁数を指定した場合、指定した桁数以下の数値は四捨五入されます。なお、「数値」以外の「通貨」や「会計」でも同様に操作できます。

数字を入力したら先頭の「0」が表示されない

エクセルでは、セルの表示形式が「標準」や「数値」「通貨」などに設定されていると、数字を入力した場合、先頭の「0」は非表示になるように設定されています。電話番号や認証番号など先頭に「0」が必要な数字を入力する場合は、セルの表示形式を「文字列」に変更してから入力しましょう。

設定を変更したいセルを選択し、「ホーム」タブの「表示形式」の▼をクリックしている画面イメージ

セルの表示形式を変更するには、設定を変更したいセルを選択し、「ホーム」タブの「表示形式」の▼をクリックします。表示されるメニューから目的の形式を選択します。

セルに改行を入れて複数の行を入力したい

レポートなどの報告書や住所などを入力する場合、同一のセル内に複数の行を入力したいことがあります。このとき、[Enter]キーを押しても改行されず、下のセルにアクティブセルが移動してしまいます。セル内で改行を入れたい場合は、改行を入れたい場所で、[Alt]キーを押しながら同時に[Enter]キーを押します。

カーソル位置に改行が挿入され、複数の行を入力できるようになっている画面イメージ

[Alt]キーを押しながら同時に[Enter]キーを押すとカーソル位置に改行が挿入され、複数の行を入力できるようになります。

勝手にリンクになるのを解除したい

セルにメールアドレスやホームページのURLなどを入力すると、自動的に青い文字で表示されて下線が引かれます。このセルをクリックすると、勝手にメールソフトやブラウザーが立ち上がってしまい、困ったことのある人も多いでしょう。これは「ハイパーリンク」といい、メールアドレスはメールソフトに、ホームページのURLはブラウザーにリンクが張られる機能です。場合によっては便利ですが、必要のないハイパーリンクは削除しましょう。まずは、ハイパーリンクを個別に削除する方法を紹介します。ハイパーリンク機能を無効にしたい場合はコラムを参照してください。

削除したいハイパーリンク上で右クリックし、表示されるメニューから「ハイパーリンクの削除」を選択している画面イメージ

削除したいハイパーリンク上で右クリックし、表示されるメニューから「ハイパーリンクの削除」を選択します。

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青文字と下線が消え、通常の文字列に変更されている画面イメージ

青文字と下線が消え、通常の文字列に変更されます。なお、再度ハイパーリンクを設定したい場合は、設定したいセルをダブルクリックします。

ハイパーリンクの機能を無効にしたい

ハイパーリンク機能を無効にしたいという場合は、「Excelのオプション」画面で設定を変更します。ハイパーリンク機能を無効に設定すると、以降、入力されたメールアドレスやURLにはリンクが設定されなくなります。なお、設定変更前に入力したメールアドレスやURLなどに設定されたハイパーリンクはそのまま残ります。

「ファイル」タブをクリックし、「オプション」をクリックしている画面イメージ

「ファイル」タブをクリックして「オプション」をクリックします。

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「文書校正」をクリックして「オートコレクトのオプション」ボタンをクリックしている画面イメージ

「Excelのオプション」画面が表示されるので、「文書校正」をクリックして「オートコレクトのオプション」ボタンをクリックします。

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「入力オートフォーマット」タブをクリックし、「インターネットとネットワークのアドレスをハイパーリンクに変更する」のチェックを外してオフにして、「OK」ボタンをクリックしている画面イメージ

「入力オートフォーマット」タブをクリックして、「インターネットとネットワークのアドレスをハイパーリンクに変更する」のチェックを外してオフにします。設定が済んだら「OK」ボタンをクリックしてウィンドウを閉じます。

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