ScanSnap S1500には、アドビシステムズが提供するPDF編集ソフト「Adobe Acrobat」が付属しています。Adobe Acrobatを利用すると、スキャンしたPDFファイルの不要なページを削除したり、上下が反転してしまったページを修正したりといった編集を行い、PDFファイルをきれいに整えることができます。
デジタル保存したファイルは、最初にも説明したように、紙の物理的な破損を気にしないで済むようになります。そのかわり、何らかのミスやトラブルでファイルを消してしまったら、取り返しのつかないことになります。PDFファイルは必ずバックアップを取りましょう。
保存されたファイルは外付けハードディスクや光ディスクなど複数のメディアにバックアップしておきましょう。
仕事やサークル活動などで使った書類、友達からの手紙、子どもや家族に関連した書類など、カテゴリー別に分類し、DVD-R/RWなどに記録しておきます。できれば同じバックアップのDVD-R/RWを複数枚作りましょう。友達や離れて暮らす家族に1枚を預かってもらうのもいい方法です。
こうしたファイルは、思い出に関するものであれば、ときどき開いて楽しむことができます。また、仕事や行事に関連するものであれば、次に同じような仕事をするときや、1年後に同じ行事の準備をするときなどの参考にできます。ファイルやキャビネットを探し回って必要な書類をみつけ出す大変さに比べたら、検索ですぐに必要な書類が取り出せる便利さは、大きな魅力です。この便利さを経験したら、スキャンしてファイルを整理するときのちょっとした手間も、惜しいとは感じられなくなります。
バックアップについて詳しくは、こちらの記事も参考にしてください。
ドキュメントスキャナーを利用してデジタル保存することで、整理のめどがつかなかった紙の束を、大幅に減らすことができます。「おそらく必要ないけれど、いつか見ることがあるかもしれない……」というような書類は、デジタル保存しておけば、心配せずに捨ててしまうことができ、必要なときには、すぐに検索して情報を確認することができます。
一方で、重要な契約書や電気製品の保証書など、紙であることがどうしても必要な書類もあります。こうした大事な書類は、なくさないように保存しておきましょう。
また、手紙の風合いや、紙の手触り、匂いのような、デジタル化できない情報もあります。こうした、大事な思い出に紐づくものは「紙のまま」保存しておくといいでしょう。そのうえで、なくしてしまった場合のバックアップとして、デジタル化も行っておくと、より安心できます。
分解したくないノートや、押し花、切り絵など立体的な装飾のある紙は、ドキュメントスキャナーではスキャンできません。こうした場合は、デジタルカメラで撮影しておくのもいい方法です。
「Evernote」は、テキスト(文字)や画像、PDFファイルなどのさまざまなデータを「ノート」として追加し、整理できるソフトです。ノートに追加したデータはインターネットのEvernoteのサーバーに保存されるので、バックアップとしても頼りになります。
Evernoteでは、PDFファイルと同じノートにメモを書き加えたり、関連した画像を1つのノートに集めることもできます。これを利用して、子どもの描いた絵や手紙と写真をいっしょに保存したり、スキャンした書類と関連するメモをまとめたりと、さまざまな方法で活用できます。容量に制限はありませんが、1ノートあたり25MB、1ヶ月にアップロードできる容量は60MBといった制限があるので、たくさんのファイルを追加したいときには注意しましょう(Evernoteの有料プランに入会することで、1ノートあたり50MB、アップロードの容量を1GBに増やすことができます)。